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投稿日:2024年02月13日

テーマ: 社会

「中学受験」頻出問題:衆議院の予算先議権

 行って良し!来て良し!
 受験Dr.の花門豪です。

 皆さんは、2月と言えば何を思い浮かべますか。
 2月3日の「節分」、
 2月11日の「建国記念の日」、
 2月14日の「バレンタインデー」、
 今年はうるう年なので「2月が28日ではなく29日まである!」など、
 色々ありますね。

 毎年2月は「国の予算(※よさん)」が決まる時期であり、今日は、連日ニュースで取り上げられている「国の予算」について、中学受験で聞かれるポイントとともにお話ししたいと思います。

 予算とは、一定の期間における予め(※あらかじめ)計算したお金の出入りのこと、つまり、一定の期間においてお金をもらったり使ったりする予定を意味します。

 例えば、2泊3日の旅行にいく場合、3日間という一定の期間において、参加者からお金をもらい貸切バスに使ったりするなど、予定を立てます。この予定が予算です。

 国の場合、
 国に入ってくるお金を歳入(※さいにゅう)、
 国から出ていくお金を歳出(※さいしゅつ)
 といい、1年間という一定の期間における予定を立てます。

 そして、「この予定でいこう!」と決める組織が国会であり、
 国会の重要な仕事の1つに
 予算の審議(※しんぎ=話し合うこと、相談すること)、
 予算の議決(※ぎけつ=決めること)
 があります。

 中学受験では国の予算を含め、国会の仕事を選択肢で問うもの、書かせるものなどが出
題され、言葉の意味を正確に理解し、記憶していることが求められます。
 
 さて、そもそもなぜ日本では、国会が国の予算の審議、議決をおこなうのでしょうか。国会が国の予算の審議、議決をおこなうことができる根拠は何でしょうか。

 人類は国家権力の暴走を防ぎ人権を守るために、国家権力を立法権、行政権、司法権の3つに分け、立法権を国会に、行政権を内閣に、司法権を裁判所に任せ、お互いに監視し合う仕組みを考えました。いわゆる三権分立です。

 そして、三権分立を憲法に記し(※しるし=書いて)、権力者に守らせることで、人権を守る制度を整えました。これが立憲主義であり、近代的立憲主義ともいいます。

 つまり、国の予算の議決を含め、国の仕組みは憲法に書かれているわけです。条文を見てみましょう。

【憲法 第83条】 
国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。
(※財政=国がお金を使ったり税を課すこと)

【憲法 第86条】
内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

 国がお金を使ったり税を課すことは、国民に大きな影響を与えます。

 そこで、日本国憲法は国の予算の審議、議決をおこなう権限を国民の代表者である国会に持たせました。

 これを財政民主主義といいます。

 では、国会が国の予算の審議、議決をおこなう権限を持っているとして、予算はどのように決まるのでしょうか。

【憲法 第60条 第1項】
予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。

【憲法 第60条 第2項】
予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

 憲法第60条第1項は内閣に対して、予算の提出は参議院ではなく衆議院が先であることを明示して(※めいじして=はっきりと書いて)います。

 これを衆議院の予算先議権(※よさんせんぎけん=予算を先に議決する権限)といいます。

 法律は予算と異なり、衆議院、参議院のどちらが先に審議しても構わないため、予算と法律の違いとして中学受験でよく出題されます。

 憲法第60条第2項は難しい文ですね。分解してみましょう。

分解1:「予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、・・・」

解説1:予算について衆議院の後から審議、議決をする参議院が、先に議決した衆議院の議決と異なる議決をした場合、両議院の協議会(※両院協議会)を開きます。この両院協議会で意見が一致しないときは・・・

分解2:「又は参議院が、衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、・・・」

解説2:予算について衆議院の後から審議、議決をする参議院が、30日経っても議決に至
らない(※いたらない=到達しない、終わらない)ときは、・・・

分解3:「衆議院の議決を国会の議決とする。」

解説3:参議院の議決に関係なく、自動的に衆議院の議決が国会の議決になります。

 衆議院は内閣によって解散をさせられるリスク(=危険)を負っており、任期も参議院より短いため、世論(※せろん=国民の意見)を国会に反映させやすい立場にあります。
 
 したがって、国の予算について衆議院が先に議決すること(=予算先議権)を憲法は認め、参議院の議決に関係なく、自動的に衆議院の議決が国会の議決になる仕組みをとっています。
 
 これは、「衆議院の優越(※ゆうえつ=優先される立場)」の具体例として、頻出の(※ひんしゅつの=よく出る)問題です。
 
 なぜ、「衆議院の優越」が認められているのかという理由も含めて、憲法の条文とともに正確に理解し、記憶しておきましょう。

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