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投稿日:2020年05月26日

テーマ: 算数

受験算数のコツ!タクシー数をつかまえろ!

 

みなさん、こんにちは。受験ドクターの亀井章三です。

 

まずは、こちらのツイートをご覧ください。

 

「河野大臣!!

最近コロナで暇すぎます!!

何か家でできる面白い遊びってないですか?

ちなみに今中3です!!」

 

これに答えたのが、河野太郎大臣。

 

では、2通りの2つの立方数の和で表せる最小の数をさがしてごらん。」

 

つまり、A×A×A+B×B×B=C×C×C+D×D×D=N

となる、異なるA、B、C、Dがある、最小のNを求めなさい、という問題です。

 

そこで、今回はこの河野大臣の挑戦を、小学生でも分かるようにヒントを加えて

みますので、ぜひ考えてみましょう!という内容です。

 

0526_kamei_1

 

ヒント1 A~Dは1から12の中の数字です。

1×1×1=1

2×2×2=8

3×3×3=27

4×4×4=64

5×5×5=125

6×6×6=216

7×7×7=343

8×8×8=512

9×9×9=729

10×10×10=1000

11×11×11=1331

12×12×12=1728

 

 

もしかしたら見つかった人もいるかも?

 

Step1 9で割ったあまりを考える

立方数を9で割ったあまりで分類しましょう。

あまり1 1、64、343、1000

あまり8 8、125、512、1331

あまり0 27、216、729、1728

 

あまりは1、8、0の3種類になります。2つの立方数の和が等しいということは

あまりの和も等しくなりますので、

①「あまり1」+「あまり1」=「あまり1」+「あまり1」

②「あまり1」+「あまり8」=「あまり1」+「あまり8」

③「あまり1」+「あまり0」=「あまり1」+「あまり0」

④「あまり8」+「あまり8」=「あまり8」+「あまり8」

⑤「あまり8」+「あまり0」=「あまり8」+「あまり0」

⑥「あまり0」+「あまり0」=「あまり0」+「あまり0」

⑦「あまり1」+「あまり8」=「あまり0」+「あまり0」

の7通り考えられます。

このうち、①、④、⑥は、1+1000=64+343、8+1331=125+512、

27+1728=216+729、とならないのでありえません。

 

つまり、②、③、⑤、⑦の中に答えがあります。

どうです、わかりましたか?

 

 

ヒント2 正解は③「あまり1」+「あまり0」=「あまり1」+「あまり0」

の中にあります。

 

 

Step2 偶数・奇数に分けて考える

「あまり1」 偶数:64、1000  奇数:1、343

「あまり0」 偶数:216、1728  奇数:27、729

 

Nが偶数とすると、偶数+偶数か偶数+奇数になります。

64+216=280

64+1728=1792

1000+216=1216

1000+1728=2728

1+27=28

1+729=730

343+27=370

343+729=1072   この中には同じ数はありませんでした。

 

Nが奇数とすると、偶数+奇数になります。

64+27=91

1000+27=1027

64+729=793

1000+729=1729

1+216=217

1+1728=1729

343+216=559

343+1728=2071

 

見事に1729で等しくなりました!

つまり、1×1×1+12×12×12=9×9×9+10×10×10=1729

河野大臣の答えは1729になります。

 

 

ヒントがなければなかなか難しいですね。

数に関する問題では、「〇で割ったあまり」に着目すると、糸口が見つかる

ことがあります。ぜひおぼえておいてください。

 

 

ところで、今回のブログのタイトルはタクシー数ですが、これはいったい何でしょう?

これには次のエピソードがあります。

 

数学者ゴッドフレイ・ハロルド・ハーディが療養所に入院している数学者シュリニヴァ―サ・ラマヌジャンを見舞いに行ったときの会話

ハーディが「ナンバーが1729のタクシーに乗った。その1729という数は、素数でもないし、平方数でもないし、なにか無味乾燥なもののように思えた。だから、それが不吉なことの前兆でないことを願っていたんだよ。」と言った。

ラマヌジャンは「そんなことはありません、1729はとても興味深い数字です。それは2通りの2つの立方数の和で表せる最小の数です」と返した。

ここから、N通りの2つの立方数の和として表される最小の数のことを「N番目のタクシー数」と呼ぶようになりました。

 

数にはいろいろありますね。友愛数とか。

興味のある方は「博士の愛した数式」をぜひお読みください。

今回は以上です。また次回お会いいたしましょう。

 

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算数ドクター