特別編③ 2016 第25回算数オリンピックトライアル 問題解説(その3)|中学受験専門受験塾ドクターが「算数」の偏差値をアップさせる奥義を伝授!

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特別編③ 2016 第25回算数オリンピックトライアル 問題解説(その3)

はじめに

受験ドクターの亀井章三です。
いつも「開成・筑駒・灘中!すべて合格大作戦!」をお読みいただきありがとうございます。
今回は、いつもの形式を離れた特別編!6月12日(日)に実施された「第25回算数オリンピックトライアル」の問題を1問ずつわかりやすく解説してまいります。

本連載では、いつも応用問題を解くために必要な「解法ポイント」というものをご紹介しています。
今回のトライアル問題を解いていくうえでも、もちろんこの「解法ポイント」を使っていくことで簡単に解いていくことができますので、たくさん「解法ポイント」をご紹介してまいります。

【問題7】

下の図のように、1辺3㎝の立方体にある幅のリボンを巻き付けていきます。
リボンを巻き付けた立方体
巻き付け始めた位置にもどってくるまでリボンを巻き付けるとき、立方体の表面のうちリボンの巻き付けられていない部分の面積は何㎠ですか。

問題7は立体に関する問題です。
リボンが巻き付く様子をどうやって捉えていくかがポイントとなっています。

<解説>
どの面にどのように巻き付いていくかを考えるため、頂点にA~Hの記号をつけ、さらに展開図で考えていきます。
まずは、A~Hの記号を下の図のようにつけます。
立方体の頂点に記号
そして、下の図のような展開図を用意します。
展開図
まず、辺ABからリボンをかけていきます。
辺ABからリボン
面DCGHを辺GHが重なるように回転させます。
面DCGHを回転
辺GHからさらにリボンを伸ばします。
辺GHからリボン
面BCGFを辺BFが重なるように回転し、辺BFからさらにリボンを伸ばします。
面BCGFを回転
今1周目のリボンの端が辺DHに来ました。
ここから2周目を巻いていきます。
辺DHを持つ四角形CDHGのところに、四角形ADHEが辺DHを重ねるように移します。
四角形ADHEを移動
面ABCDを辺BCが重なるように回転し、辺BCからさらにリボンを伸ばします。
辺BCからリボン
面EFGHを辺EHが重なるように回転し、辺EHからさらにリボンを伸ばします。
辺EHからリボン
これで2周目が終わり、リボンの端は辺ABに戻ってきました。
これで図を描くことができました。次は面積です。
正方形ABCDだけ取り出して考えます。
正方形ABCDだけ取り出す
図の三角形PCDは底辺と高さの比が1:3の直角三角形で、
その面積は1×3÷2=1.5㎠です。
三角形PCD
三角形PQCと三角形CDQ
三角形PQCと三角形CDQは、ともに三角形PCDと相似の関係にあるので、
PC:CD=PQ:CQ=CQ:DQ=1:3です。
よって、PQ:QD=1×1:3×3=1:9になり、
三角形CDQ=1.5÷(1+9)×9=1.35㎠です。

三角形DRSと三角形DTUと三角形DCQも相似の関係で、
DR:DT:DC=1:2:3です。したがって、
三角形DRSと三角形DTUと三角形DCQの面積比は、
1:4:9となり、四角形RSUTの面積は、

1.35×41.3510.45㎠
99

となります。
四角形RSUTの面積
また、四角形ASUVは平行四辺形で面積は3㎠です。
よって、四角形ARTVの面積は、
3-0.45=2.55㎠になります。
四角形ARTVの面積
以上から、リボンが巻き付けられた部分の面積は (1.5+2.55)×6=24.3㎠となりますので、 求める面積は、3×3×6-24.3=29.7㎠です。 求める面積

答え 29.7㎠

【問題8】

A、B、Cの3人の子供が時計回りにこの順で輪になってならんでいます。
いま、そのうちAだけが10000個のおかしを持っていて、残りの2人が1個も持っていません。
このとき、以下の操作をくり返していきます。

操作
1回目:AとBの間で、二人とも同じ数かまたはAの方が1個多くなるように、多い方が少ない方におかしを渡す。

2回目:次に、BとCの間で、二人とも同じ数かまたはBの方が1個多くなるように、多い方が少ない方におかしを渡す。

3回目:さらに、CとAの間で、二人とも同じ数かまたはCの方が1個多くなるように、多い方が少ない方におかしを渡す。

この後も、AとB、BとC、…と同じように続けていき、3人全員の持っているおかしの個数の差が1個以下になったら、操作を完了する。
このとき、おかしの受け渡しは全部で何回起こりますか。

問題8は数の性質・規則性に関する問題です。
ただし、この問題は「考えるより行動する」ほうが、もしかしたら早く正解にたどりつけるかもしれません。
問題文をよく読み、やりとりのルールを正確に守っていきましょう。

<解説>
1回ごとのおかしの個数を調べていきますので、次のポイントを使いましょう。
【ポイントNo.5】「計算する調べの作業は表で行う」
調べの作業
以上より、13回目に全員の差が1か0になります。

答え 13回

【問題9】

(図)のようなたての長さが3㎝、横の長さが5㎝の長方形を、たて、横の長さが整数㎝で面積が1㎠、2㎠、3㎠、4㎠、5㎠の長方形1つずつに切り分ける方法は何通りありますか。
ただし、正方形も長方形にふくみ、回転したり、うら返して同じになるものも別々に1通りとして数えるものとします。
(図)
たて3cm横5cmの長方形

問題9は図形を使った場合の数の問題です。
回転したり、うら返して同じになるものも別々に1通りとして数える、という条件が少しやっかいです。
どの四角形を基準にして場合分けをしていくかで解答時間に影響が出たものと思われます。

<解説>
どの形から調べても構いませんが、入れる場所が限られてくる5㎠から考えていきましょう。
【ポイントNo.6】「最小・最大から調べていく」

5㎠になる四角形は、1×5の長方形しかありません。
そこで、(ア)まん中の段に置く場合、と(イ)一番上の段に置く場合とに分けて考えます。
一番下の段に置く場合は(イ)の入れ方を180度回転させると一致しますので、後でまとめて計算して求めます。

(ア)5㎠をまん中の段に置く場合
5をまん中の段に置く
次に大きな4㎠について考えます。
面積が4㎠になる四角形は、1×4の長方形と2×2の正方形の2種類あります。
しかし、このように5㎠を入れたときは1×4の長方形しか入れることができません。
また、4㎠をどの隅に置いても、1つの置き方に対して、左右に裏返すか180度回転させるかで、2×2=4通りずつ考えられ、全ての置き方を調べたことになります。
そこで、4㎠を左上に置いた場合を考えます。
4を左上
4㎠のとなりには必ず1㎠を置きます。
下の段には、左から3→2と置く置き方と、2→3と置く置き方の2通り考えられます。
左右に裏返しと180度回転
したがって、(ア)は全部で2×4=8通りになります。

(イ)5㎠を一番上の段に置く場合
5を上
ここで4㎠を考えると、1×4の長方形を入れる場合と2×2の正方形を入れる場合とに分けなくてはいけませんので、少し大変になります。
そこで、3㎠の置き方を先に考えます。
3㎠の四角形は1×3の長方形しかなく、また横向き(たて1×よこ3)にしか置けないので、場合分けの数が少なくてすみます。

5㎠を置いたのこり10マスの部分だけ取り出して考えます。
そこに3㎠を置く置き方は、
(イー1)左上に置く場合、と(イー2)中央に置く場合の2つに分けられます。
それ以外の場所は裏返したり回転させることで重複します。

(イー1)3㎠を左上に置く場合
3を左上
ここで4㎠の置き方を考えますと、次の3通り考えられます。
4の置き方3通り
それぞれの場合について、2㎠と1㎠の入れ方を考えますと、結局次の5通りになります。
2,1の置き方5通り
したがって、(イー1)は全部で5×4=20通りになります。

(イー2)3㎠を中央に置く場合
3を中央に
4㎠の置き方は2通り考えられますが、線対称になっているので、左側に寄せたときだけを考えればOKです。
4は左寄せのみ
これは次のように置く置き方しかありません。
4は左寄せの置き方
したがって、(イー2)の置き方は全部で、
1×2(4㎠の左右対称)×2(3㎠の上下対称)=4通りになります。

(イ)の場合の置き方は全部で20+4=24通りになります。
最初に書いたとおり、5㎠を一番下の段に置く置き方は、この(イ)の置き方を180度回転させたものになりますので、
結局置き方は全部で、8+24×2=56通りになります。

答え 56通り

【問題10】

太郎君は電卓に4けたの数を入力しましたが、数字を見ないでボタンを押したため、思っていた数とはことなる4けたの数を入力してしまいました。
電卓のボタンは(図1)のようにならんでいますが、太郎君はボタンが(図2)のようにならんでいるとかんちがいしてボタンを押してしまったのです。
その結果、太郎君が入力しようと思っていた数は11で割って6余る数だったのですが、実際に入力された数は11で割って8余る数になってしまいました。
太郎君が入力しようと思っていた数を答えなさい。
ボタンの位置

いよいよ最後の問題10です。
最後は数の性質を利用した調べ上げの問題です。
ある数字を操作により値を変え、どうなったかを問う問題、平成26年の灘中でも出題されている内容です。

<解説>
この問題のポイントは、太郎君が思っていた数字と実際の数字がどのように変わるのか?ということと、11で割った余りをどうやって考えていくか?ということの2点です。

まずは押した数字がどう変わるかを表にしましょう。
押した数字がどう変わるか
次に太郎君が入力しようと思っていた数を記号で表し、DCBAとします。
【ポイントNo.1】「記号・文字を使って問題文を式に表す」
数字が変わることによって、11で割った余りがいくつ増えるのかを調べていきます。
例えば、A(一の位)で「1」を押したつもりの場合は、
太郎 1(11で割ると1余る)⇒ 本当 7(7余る)
となりますので、余りは6増えています。
これを他の数も調べますと、

太郎  0(0余り)⇒ 本当  0(0余り)  ±0
2(2余り)⇒ 8(8余り)  +6
3(3余り)⇒ 9(9余り)  +6
4(4余り)⇒ 4(4余り)  ±0
5(5余り)⇒ 5(5余り)  ±0
6(6余り)⇒ 6(6余り)  ±0
7(7余り)⇒ 1(1余り)
1+11-7=5   +5
8(8余り)⇒ 2(2余り)
2+11-8=5   +5
9(9余り)⇒ 3(3余り)
3+11-9=5   +5

同様に、B(十の位)、C(百の位)、D(千の位)の場合も考えます。
例えば、

太郎  10
(10余る)
 本当  70
(4余る)
4+11-10=5   +5
 
太郎 100
(1余る)
 本当  700
(7余る)
 +6
 
太郎 1000
(10余る)
 本当  7000
(4余る)
 +5

全ての結果を表にまとめます。
全ての結果の表
これで準備は完了です。それではDCBAを求めていきます。
太郎くんが思っていた数字は11で割ると6余る数で、本当の数字は11で割ると8余る数です。
増えた余りの数は、 8-6=2、2+11=13、13+11=24、24+11=35…
が考えられます。
表より変化の値は、±0か+5か+6しかありません。
先ほどの2、13、24、35…のうち、0、5、6の組み合わせでできる数は6+6+6+6=24しかありません。
したがって、A~Dは全て「余りが6増える数」ということがわかります。
よって、AとCは1~3のどれか、BとDは7~9のどれかになります。

このうち、DCBAを11で割った余りが6になるものを探します。
そこで、A~Dの数字と11で割った余りを表にします。
A~Dの数字と11で割った余りの表
余りの合計が6、17、28、39…になる組合せを探します。
最大でも4+3+4+3=14なので、合計は6になります。
それは2+1+2+1だけになります。
したがって、DCBA=9191となります。

答え 9191

以上で2016年の算数オリンピックトライアルの全問解説が終了です。
いかがでしたか?
5問以上正解できた5年生以下の皆さまは、ぜひ来年の算数オリンピックに挑戦してみると良いでしょう。

また、決勝大会が行われましたら特別編にて解説を載せてまいります。