特別編⑥ 2016 第25回算数オリンピックファイナル 問題解説(その3)|中学受験専門受験塾ドクターが「算数」の偏差値をアップさせる奥義を伝授!

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特別編⑥ 2016 第25回算数オリンピックファイナル 問題解説(その3)

はじめに

受験ドクターの亀井章三です。いつも「開成・筑駒・灘中!すべて合格大作戦!」をお読みいただきありがとうございます。今回は、いつもの形式を離れた特別編!7月24日(日)に実施された「第25回算数オリンピックファイナル」の問題を1問ずつわかりやすく解説してまいります。
 本連載では、いつも応用問題を解くために必要な「解法ポイント」というものをご紹介しています。今回のファイナル問題を解いていくうえでも、もちろんこの「解法ポイント」を使っていくことで簡単に解いていくことができますので、たくさん「解法ポイント」をご紹介してまいります。

【問題5】

2×7のマスに〇と●を次のルールで入れます。
(ルール)各マスにおいて、隣り合うマスを考えると、〇と ●が少なくとも1つずつ入っている。
何通りの入れ方がありますか。ただし、回転したりうら返す と同じになるものも、それぞれ別々に1通りとして数えるも のとします。
2×7のマス

問題5はマス目に条件にしたがって記号を入れていく場合の数の問題です。ルール自体はシンプルなので、じっくりと樹形図で調べていくことで答えは求められそうですが、かなり手間と時間がかかります。そこで、どうやって効率良く調べていくかがこの問題のポイントとなります。

<解説>
一見大変そうなものでも、何かしらの方法があるものです。
それを見つけるために、次のポイントを使います。
【ポイント№32】「いくつかの例を並べて、規則を発見」
まずは2×3のマスで考えてみましょう。
2×3のマス

ア=○とすると、考えるのは(イ、エ)のマスになります。
この2つのマスの入れ方は(イ、エ)=(○、●)(●、○)の
2通りになります。
次にオのマスを考えますが、オのマスと隣り合うイ、エ、カの中に既に○と●が1つずつ入ることが決まっていますので、ルールはクリアしています。
次にウのマスを考えます。イとカが○と●になるように入れれば良いので、(イ、カ)=(○、●)(●、○)となります。
このことでわかるのは、イとエとカのマス目の入れ方はアとウとオのマス目のルールに関連する、ということです。つまり、
斜めに接するマスどうしの入れ方を考えていけばよく、全ての入れ方は、その入れ方を2回かけた値になります。

2×3のマスの場合、イ、エ、カの入れ方が2通りになりますので、アとウとオの入れ方も2通りとなり、全てのマスの入れ方は2×2=4通りとなります。

それでは、2×7のマス目を考えていきます。
先ほどと同様に、マス目にア~セの文字をふります。
2×7のマス目

そして、○と●の入れ方を考えるのは、斜めで接しているア、ケ、ウ、サ、オ、ス、キの7つのマスになります。
ここからは表も使って調べていきます。

クのルールを満たすことを考えると、アとケは○と●が1つずつになります。そうすると、この入れ方はイのルールも満たすことになります。次にコのルールですが、それはケに何色を入れたかによって変わってきます。
アとケは○と●が1つずつ

次はエの条ルールですが、これはウとサに入れた色によって変わってきます。
ウとサが同じ色の場合、オには残りの色を入れることしかできません。ウとサが異なる色の場合、オには○も●も入れられます。
ウとサが異なる色の場合

次はシのルールです。これはサとオに入れた色によって変わってきます。
サとオが同じ色の場合、スには残りの色を入れることしかできません。サとオが異なる色の場合、スには○も●も入れられます。
サとオが異なる色の場合

次はカではなく、セの条件を考えます。なぜなら、カもセもキとスのマスが隣り合っており、セのルールである「キとスのマスに○と●が入る」を満たせば、必ずカのルールも満たすことになるからです。 そうすると、キのマスにはスと逆の色を入れることになりますので、7マスの入れ方は表より16通りとなります。
これはイ、エ、カ、ク、コ、シ、セの7マスの入れ方も同じなので、マスの入れ方は全部で16×16=256通りとなります。

答え 256通り

量が多くて大変な調べの問題も、少しの量であれば調べることはできます。その作業を通してヒントを見つけていく「観察眼」がとても大切です。
なお、この斜めに接するマス目への入れ方にはある決まりがあります。2×2だと2通り、2×3も2通り、2×4だと4通り、2×5だと6通り、2×6だと10通り、そして2×7だと16通り。わかりましたか?(正解は第6問の後ろにあります。)

【問題6】

1から9999までの整数を考えます。各整数に次の操作をします。
操作:それぞれの整数の各けたの数字について、
・1つでも奇数が入っていれば、その整数を2倍する。
・偶数のみの場合はそのままとする。
このとき、すべての数に操作を行った後に、異なる整数は何個ありますか。

問題6は、数を操作し、調べていくタイプの問題です。駒場東邦中、筑波大附属駒場中、灘中など、多くの難関校でも出題されるタイプの問題です。
攻略の鍵は、操作の条件を正確に把握することと、操作後の結果を調べていくことです。
この問題は次のポイントを使って考えていきましょう。
【ポイント№15】「まずは小さい数字の例を考える」

<解説>
いきなり9999まで調べるのは大変ですから、1~99で調べてみます。1~99の操作後の整数は、
1~99の操作後の整数

となります。
ここに何個の整数があるのか、ですがポイントは重複している数です。上の一覧で赤字になっている数字が重複している整数です。共通点は何でしょう?
それは、
・1~99の範囲に入っている。
・全ての位が偶数(0、2、4、6、8)である。
・少なくとも1個以上、2か6が入っている。
ということです。
この結果を1~9999にもあてはめてみましょう。
9999個の整数のうち、
・1~9999の範囲に入っている。
・全ての位が偶数である。
・少なくとも1個以上、2か6が入っている
を満たす個数を考えます。
全ての位が偶数である数は、0、2、4、6、8の5つの数の組み合わせなので、5×5×5×5-1=624個あります。

そして、少なくとも1個以上2か6が入っている数は数えにくいので、逆に「1つも2、6が入っていない偶数」を数え、先ほどの624個から引きます。
1つも2、6が入っていない偶数は、「0、4、8だけでできている偶数」です。それは、3×3×3×3-1=80個あります。
したがって、624-80=544個の整数が、操作後に重複して現れていることになります。
よって、9999-544=9455個となります。

答え 9455個

4ケタ、5ケタとケタが大きい数を対象に調べていく問題では、ケタが小さいところまで調べることで、正解への手がかりを見つけることができます。時間がかかる作業ですがおぼえておくと良いでしょう。
次回は問題7と問題8を解説いたします。
<第5問のおまけ>
フィボナッチ数列(2つ前の数と1つ前の数の和になる)になっています。