第12回 数の性質と場合の数の融合問題|中学受験専門受験塾ドクターが「算数」の偏差値をアップさせる奥義を伝授!

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第12回 数の性質と場合の数の融合問題

今後の目次

第12回 数の性質と場合の数の融合問題 ← 今週はココ!
第13回 ゲームの達人~勝利の方程式~
第14回 西暦問題いろいろ

今回から3回にかけて、数を使った場合の数・調べの問題を取り上げてまいります。
このタイプの問題は数の持つ特徴を使わずに考えていくことは難しく、また数の性質だけを使って簡単に求めることもできない、というかなり厄介な問題です。
まさに、「②解答にたどり着くまでの作業量が膨大で、効率良い解き方が見つかりにくく難しい」問題と言えるでしょう。
今回は、どこに数字の特徴が隠れているのか、そしてどのように作業していくのか、そのポイントを説明してまいります。

ポイントが身につく問題実践講座

問題

回文数とは上から読んでも下から読んでも同じ数字のことを言います。
例えば、44は2けたの回文数、232は3けたの回文数ですが、40、230は回文数ではありません。
いま、2けたの回文数と3けたの回文数の積で表せる5けたの回文数を1つ求めなさい。

(2012 算数オリンピックトライアル)

【解くための考え方】
まずは、先ほどの問題を直接お子様に解かせてみてください。

正解はこちら

どうでしたか?正解にたどりつけたでしょうか?
正解できなかった場合、どこまで解き進めることができたのかが重要です。
今回の問題のように具体的な数字がないまま倍数・約数という関係が出てくる問題、この講座の第1回でも扱った内容です。
そこで説明した解法ポイントも使っていくことができます。

今後受験ドクターでは、「難問攻略イメージde暗記ポイント」カードを作成する予定です。
今回は、その中から「数字を使った場合の数の問題を解くためのポイント」を2つご紹介します。

今回使うポイント

【ポイントNo.1】「記号・文字を使って問題文を式に表す」
【ポイントNo.28】「筆算で状況を把握する」

今回の問題のように各位の数字がわからないときは、数字を記号(アルファベット)に置き換えて書き表すと良いでしょう。

2けたの回文数は、AAと表せます。
3けたの回文数は、BCBと表せます。
BとCが同じ数字になる場合もありますが、ここでは区別せずBCBとしておきます。
5けたの回文数は、DEFEDと表せます。
問題文を式にすると、AA×BCB=DEFEDになります。
しかし、この式だけでは記号が多すぎてよくわかりません。
そこで、このかけ算を筆算にしてみます。
かけ算を筆算にする
ここで、AA×Bの答えであるアについて、
・3けたの数
・百の位と一の位が同じ
・または、百の位が一の位より1少ない(繰り上がりがあるため)

ということがわかります。

アの値として考えられるものを全て書き出します。
11、22、33、44、55、66、77、88、99、 110、132、154、165、176、198、220、231、 264、275、297、308、330、352、385、396、 440、462、495、528、539、594、616、 693、704、792、891

このうち先ほどの条件に合うのは、
132、495、616 の3つになります。


①ア=616のとき
616=11×56より、
A=7・B=8またはA=8・B=7です。
それぞれ筆算に書いてみましょう。
①ア=616、A=7・B=8のとき
この結果イに求められる条件は、
・百の位が一の位より1少ない、または2少ない(繰り上がりのため)
となります。そこで、77×Cを全て書き出すと
0、77、154、231、308、385、462、539、 616、693になります。
このうち条件を満たすイは77×5=385になります。
あとはきちんと回文数になるかを確認しましょう。
①ア=616、A=8・B=7のとき
イの条件は変わりません。88×Cを書き出すと、
0、88、176、264、352、440、528、616、704、792になります。
264が唯一条件を満たしますが、百の位が6+6+6=18で1しか繰り上がりませんので回文数にはなりません。
(88×737=64856)

②ア=495のとき
495=11×45より、A=5・B=9またはA=9・B=5です。
それぞれ筆算に書いてみましょう。
②ア=495、A=5・B=9のとき
この結果イに求められる条件は、
・百の位が一の位より1少ない(繰り上がりのため)
となります。そこで、55×Cを全て書き出すと
0、55、110、165、220、275、330、385、440、495になります。
このうち条件を満たすイは55×9=495になります。
②ア=495、A=9・B=5のとき
イの条件は変わりません。99×Cを書き出すと、
0、99、198、297、396、495、594、693、792、891になります。
このうち条件を満たすイは495になります。

③ア=132のとき
132=11×12より、
A=2・B=6、A=3・B=4、A=4、B=3、A=6・B=2
の4通り考えられます。
ぜひそれぞれ筆算を書き、「イの百の位と一の位にどのような条件があるか」を考えて答えを探してみましょう。

【正解】

54945、66066のどちらか

開成・筑駒・灘の問題で今日のポイントを使う

問題 2016 灘中(2日目)
9桁の整数123456789をAとします。
また、Aの各桁の数から2個を選び、それらを入れ替えてできる9桁の整数を考えます。
このような9桁の整数は全部で36個あり、これらを小さいものから順に①、②、…、36とします。
例えば、①=123456798、②=123456879、③=123456987、⑨=123486759、
36=923456781です。
以下では、①、②、…、36からAを引いて得られる36個の整数①-A、
②-A、…、36-Aを考えます。
例えば、
①-A=123456798-123456789=9
②-A=123456879-123456789=90
36-A=923456781-123456789=799999992 です。

(1)36個の整数①-A、②-A、…、36-Aのうち、1000で割り切れるものは何個ありますか。

(2)36個の整数①-A、②-A、…、36-Aのうち、37で割り切れるものは何個ありますか。

(3)これら36個の整数をすべてかけて得られる整数 (①-A)×(②-A)×…×(36-A)は3で最大何回割り切れますか。
例えば、810は3で最大4回割り切れます。

【解説】

(1) 36個の値を全て求める方法もありますが、何らかの規則・性質があると考えて、まずはいくつかの例を分析してみましょう。

①-A 123456798-123456789=9
②-A 123456879-123456789=90
③-A 123456987-123456789=198
⑨-A 123486759-123456789=29970

この4つを筆算にしてみます。←ポイントNo.28
①-A 123456798-123456789=9
②-A 123456879-123456789=90
③-A 123456987-123456789=198
⑨-A 123486759-123456789=29970
入れ替えた数字のうち大きい方を大、小さい方を小と書き換えます。
①-A 123456798-123456789=9、数字を大、小で置換
②-A 123456879-123456789=90、数字を大、小で置換
③-A 123456987-123456789=198、数字を大、小で置換
⑨-A 123486759-123456789=29970、数字を大、小で置換
このことから
・Aの小より左の位には数字がない
・Aの大より右の位は全て0になる
・大と小にはさまれた位は全て9になる
・「小-大」の位は、(10+小)-大の値になる
・「大-小」の位は、大-小-1になる


ということがわかります。
小-大のところで繰り下がりがおこるためです。
繰り下がりは大-小の位まで続きます。
たとえば、4と8を入れ替えた場合は、
10+4-8=6、8-4-1=3より、
399960になります。

○-Aの値が1000で割り切れる、ということは下3ケタが必ず0であることです。
そのためには7,8、9は入れ替えることなく残っていることが必要となります。
つまり、入れ替えた2つの数は1~6の中から選ばれたということです。
その選び方は、6×5÷2=15通りとなります。

答え 15個

(2)
37で割り切れる数にはどのような特徴があるのでしょうか。
それを見つけるため9と他の数字を入れ替えた場合を考えます。
9と他の数字を入れ替えた場合
つまり、間にはさまれた9の個数が2個か5個のときに37で割り切れます。

間に9が2個はさまれるのは、大と小の差が3のときなので、
「6と9」「5と8」「4と7」「3と6」「2と5」「1と4」の6通り
間に9が5個さはまれるのは、大と小の差が6のときなので、
「3と9」「2と8」「1と7」の3通り
したがって、合計9通りになります。

答え 9個

(3) 3で割り切れる回数を考える場合は、素因数分解をして3が何回出てくるかを考えます。
そこで、○-Aの値を分解してみます。
○-Aの値を分解
これにより、
・9
・大と小の差の数
・大と小の差の個数だけ1を並べた数
・9と大の差の個数だけ10をかけた数

の4つの数の積が○-Aになっています。

この4つの数のそれぞれが3で何回割り切ることができるか調べていきます。

9=3×3より36個全ての○-Aは2回ずつ3で割り切ることができます。

大と小の差は1以上8以下なので、差が3、6になる時は3で1回割り切ることができます。
そのような大と小は、
(9、6)(9、3)(8、5)(8、2)(7、4)(7、1)(6、3)(5、2)(4、1)の9個あります。

9と大の差だけ10をかけた数は3の倍数になりません。

大と小の差の個数だけ1を並べた数は、111=3×37、111111=3×37037、より差が3、6になる時は3で1回割り切ることができます。
これは先ほどと同じ9個あります。

以上より、36×2+9+9=90回割り切ることができます。

答え 90回

前回のチャレンジ問題の答え

問題

縦2列、横2007列のマスがあります。
図のように上の目の数が「1」の状態かのサイコロが左上のスタートのマス目から右下のゴールのマス目まですべらずに転がっていきます。
最短距離でゴールまで行ったときにサイコロの上の目の数が「6」になるような行きかたは何通りありますか。
サイコロは向かい合う面の数の和が7になります。
2007 算数オリンピックトライアル

(2007 算数オリンピックトライアル)

【解説】

解説
最短距離でゴールまで行きますので、右か手前にしか転がすことはできません。
その回数は、どのように進んでも右に2006回、手前に1回になります。
そこで、いつ手前に転がすかで場合分けをして考えていきます。

1の列で手前に転がす場合
1の列で手前に転がす場合
6は後ろの面に出続けますので、上になることはありません。

2の列で手前に転がす場合
2の列で手前に転がす場合
まず3列目で6が上に来ます。
このあとは4列ごとに6が上になりますので、(4の倍数+3)列目で4が上に来ます。
2007÷4=501あまり3より、2の列で手前に転がした場合ゴールで6が上に来ます。

3の列で手前に転がす場合
3の列で手前に転がす場合
6は前の面に出続けますので、上に来ることはありません。

4の列で手前に転がす場合
4の列で手前に転がす場合
まず7列目で6が上に来ます。
このあとは4列ごとに6が上になりますので、(4の倍数+3)列目で4が上に来ます。
したがって、4の列で手前に転がした場合もゴールで6が上に来ます。

5の列で手前に転がす場合ですが、右に4回続けて転がすとスタートに置いたときと同じ状態に戻ります。
つまり、転がしたときの目の出方は、1~4列目で転がしたときのどれかと同じになります。
5の列で手前に転がす場合
したがって、(4の倍数+2)の列で手前に倒した場合は、2の列で手前に倒した場合と同じ周期が繰り返され、(4の倍数)の列で手前に倒した場合は、4の列で手前に倒した場合と同じ周期が繰り返され、どちらもゴールのときに6が上に来ます。

1~2007のうち、(4の倍数+2)または(4の倍数)となる数は、
1~2007の中の偶数になりますので、2007÷2=1003あまり1より
1003通りになります。

答え 1003通り

今日のポイントを使って問題にチャレンジ!

問題

3けたの整数のうち、次の条件を満たすものを「良い整数」とよぶことにします。

条件:3けたの整数を2つの整数に分けてその和を考えると、常にもとの整数の約数になっている。

(例)330は3と30に分けても、33と0に分けても和が33になり、330の約数になっています。
このため、330は「良い整数」となります。
ですが、702は7と02に分けた場合は7+2=9となり、702の約数になりますが、70と2に分けてしまうと、70+2=72は702の約数にはなりません。
よって、702は「良い整数」ではありません。

一の位が0でない「良い整数」を4個求めなさい。

(2010 算数オリンピックファイナル)

※解答解説は次回掲載いたします。