第1回 問題文の読み方と整理の仕方|中学受験専門受験塾ドクターが「算数」の偏差値をアップさせる奥義を伝授!

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第1回 問題文の読み方と整理の仕方

今後の目次

第1回 問題文の読み方と整理の仕方 ← 今週はココ!
第2回 調べる作業を効率的に行う
第3回 図形問題に強くなる①(円とおうぎ形)

~ はじめに ~

皆さまこんにちは。受験ドクターの亀井章三です。
こちらのページでは、
「標準的な問題(正答率50%程度)は解けるんだけど、応用問題(正答率30%以下)になると解けない」
「算数は得意なので、最難関校の算数でリードが作れるように、応用問題が解けるようになりたい。」

といった、算数でもう一段階レベルアップしたいお子様、保護者様のお悩みに答えていく内容になっております。

基本問題には決まった解法パターンというものがいくつもあります。
同じように、応用問題にも決まった解法パターンがあります。
そして、応用問題だからこそ必要な力やテクニックというものも実はあります。
その解法パターンやテクニックを、このページでお伝えしてまいります。

そもそも難しい算数の問題とは、何が難しいのでしょうか?
考えられる難しさをいくつか挙げてみますと、

難しい問題の特徴・傾向
①問題文が長く複雑で、何を言っているのか、何と問われているのかを理解するのが難しい。
②解答にたどり着くまでの作業量が膨大で、効率良い解き方が見つかりにくく難しい。
③問題に条件(ヒント)が少なく、どう進めていいかわからないので難しい

が考えられます。

では逆に、これらの難しさがないとしたらどうでしょう
標準的に解きやすい問題の特徴
①⇒問題文が読みやすく、しっかり理解できる
②⇒解答までの作業量が多くない、もしくは作業量が多くても効率の良い解法を知っているので速く解ける
③⇒問題文の条件から解き方がわかる


となり、それは「難しい応用問題」ではなく、「きちんと正解すべき標準問題」になります。
ということは、応用問題を解いていくためには、それぞれの「難しさ」に対応する力を身につけていく必要があります。
そして、その力を身につけたとき、応用問題は解くことのできる少し難しめの問題に変わります。
今回は上記の「①問題文が長く複雑で、何を言っているのか、何と問われているのかを理解するのが難しい。」を解決するポイントを、お子様に身につけさせましょう!

ポイントが身につく問題実践講座

問題
まさお君は、100点満点のテストを3回受けました。点数は回を追うごとによくなりましたが、前回の倍以上に上がることはありませんでした。
いま、3回のテストの点数と、1回目から2回目で上がった点数、2回目から3回目で上がった点数を比べると、すべて2けたの整数で、各位の数字がすべてことなりました。
このとき、3回のテストの点数の組み合わせとしてありえるものを4通り求めなさい。
(2015ジュニア算数オリンピックファイナル問題)

【解くための考え方】
まずは、先ほどの問題を直接お子様に解かせてみてください。

正解はこちら

どうでしたか?正解にたどりつけたでしょうか?
正解できなかった場合、どこまで解き進めることができたのかが重要です。
問題文の意味がまずわからない。
意味はわかるけれども、どこからどうやって手をつければよいかわからない。
調べていくところが正確にできない。
そういう様々な課題にこそ難問攻略のためのポイントが有効です。

今後受験ドクターでは、「難問攻略イメージde暗記ポイント」カードを作成する予定です。
今回は、その中から「問題文をきちんと読み取り、条件を整理していくためのポイント」を5つご紹介します。

今回使うポイント

【ポイントNo.1】「記号・文字を使って問題文を式に表す」

算数の問題では、数字を使って計算していきます。
したがって、問題文を言葉で理解しようとしてもわかりにくいことがあります。
そこで、問題文を数式にしていくことで、そこから何をしていけば良いのかがスッキリします。

値のわからない数の場合は文字を使って表します。
たとえば、2ケタの数であればアイやAB、3ケタの数であればアイウやABCのように表します。
数字全体を①や☐と置かないで、位ごとに文字をあてはめます。
こうすることで、2ケタの数であることが視覚化され、情報を整理しながら考えられるのです。

それぞれの位の数をア~コとして表すと
1回目 2回目 3回目
アイ ウエ オカ

ウエ - アイ = キク、オカ - ウエ = ケコ
ア~コは、0~9が1つずつ入る。

と表すことができます。このア~コに数を入れていきます。

【ポイントNo.2】「数字は0、9から考える」

数字をあてはめて考えるときは、0と9から考えます。

なぜなら、0は012のように左端に入ることができないと制約が多い数字だからです。
また、9は他の数字との和が10以上になり、くり上がりがおこりやすい数字だからです。

そこで0が入る場所を考えます。
それぞれ2ケタの整数とあるので、十の位のア、ウ、オ、キ、ケには0は入りません。

また、ウエ - アイ = キクで、エとイは異なる数字なのでクが0になることはありませんし、エとクも異なる数字なのでイが0になることもありません。
オカ - ウエ = ケコでも同じことが言えますので、エやコが0になることもありません。
したがって、0はカにしか入れられません。

【ポイントNo.3】「最大値と最小値を考えて範囲を絞る」

やみくもに数字を入れていって答えを見つけようとしても、まだまだ
砂浜の中にある一粒の米粒を探すようなものです。さまざまな条件を考えて調べる候補を減らしていく必要があります。

そこで最大値と最小値を使って範囲を調べる方法を使います。
ケタが決まっている数の場合は最大値と最小値が必ずあります。
例えば2ケタの数であれば、10以上99以下です。

この性質を使います。

アイは10以上の数です。では、ウエはいくつ以上の数でしょう。
ア=1のとき、キは最小で2になりますので、そのときの1+2=3がウの最小値になります。
つまり、ウエは30以上の数になります。

では、オカはどうなるでしょう。
ア=1、キ=2、ウ=3のとき、ケは最小で4になりますので、そのときの3+4=7がオの最小値になります。
つまり、オカは70以上の数になります。

カに入る数字は0なので、3回目の点数は70、80、90の3つにしぼられます。

しかし、70-4コ=3エ、という式を満たすエとコは0と0しかありえませんので、これは条件に合いません。
ここから3回目の点数は80点か90点になります。

【ポイントNo.4】「候補が5個以下になったら調べの作業」

条件を考えていくことで調べる候補を減らしていくことができます。
しかし、最後の1個を見つけるための条件を考え出すのは至難の業です。
そこである程度候補を絞り込めたら、そこからは書き出す作業に移ります。
そのほうが時間を効果的に使え、結果として解答時間の短縮につながります。

調べていく時にはいろいろな方法があります。思いつくままに書き出す、樹形図を使って調べていく…。
今回の問題のように「計算することが作業の中心となる問題」の場合は、次のポイントNo.5をおススメします。

【ポイントNo.5】「計算する調べの作業は表で行う」

一つ一つ計算して調べていく場合、表を利用して調べます。 先に調べる候補を表に書き出し、同じ計算をくり返し行うほうが作業効率は良くなり、計算ミスも減ります。

例えばこのように表を用意しましょう。

オカ ウエ ケコ   アイ キク  
オカ-ウエ ウエ-アイ
             
             
             

やるべき作業を書いておくことが大切です。
この表に、考えられる全ての「オカ」「ウエ」の候補を書き込みます。
オカはウエの2倍以上ではない、という条件や、同じ数字を使わないという条件を忘れずに。

オカ ウエ ケコ   アイ キク  
オカ-ウエ ウエ-アイ
80 41 39 25 16 ×
        26 15 ×
        27 14 ×
        28 13 ×
80 43 37 ×      
80 47 33 ×      

条件に合わなくなったら×を書いて、それ以上の計算をしません。
また同じ内容の行が続くときは省略しておきます。
このように表を使い、調べた結果を全て書き出すと、調べ忘れも防ぐことができます。

【正解】

(37、56、80)(39、56、80)
(45、63、90)(48、63、90)

開成・筑駒・灘の問題で今日のポイントを使う

問題 筑波大学附属駒場中学校 2013 大問1(2)
A、B、C、D、E、Fを、それぞれ、0でない1桁の数とします。
これらを並べて6桁の数「ABCDEF」を作ります。並んでいる6個の数を3つずつに区切って、3桁の数「ABC」と「DEF」を作り、これらを足すと999でした。
次の問いに答えなさい。
なお、A、B、C、D、E、Fに同じ数があってもかまいません。

(2)もとの6桁の数について、並んでいる6個の数を2つずつに区切って、2桁の数「AB」、「CD」、「EF」を作り、これらを全部足すと99になりました。

(ア)Aが1、Cが2のとき、もとの6桁の数を答えなさい。
(イ)このような6桁の数「ABCDEF」は、(ア)で答えたものを含めて、全部で何個ありますか。

【解説】

(ア)ABC+DEF=999
1桁の数どうしの和は0以上18以下なので、
たとえばC+F=19となるような組み合わせはない。
よって、A+D=9、B+E=9、C+F=9 ←ポイントNo.1
A=1、C=2のときD=8、F=7
AB+CD+EF=99 に1、2、7、8を代入し、
1B+28+E7=99 より、B=4、E=5
よって、もとの6桁は142857です。

(イ)どこに9が入るかを考えます。 ←ポイントNo.2
A~Fのどこかに9が入るなら、他のどこかに9-9=0が入ることになるため、A~Fのどこにも9は入りません。
また、A+B+C+D+E+F=27 B+D+F=9または19より、
A+C+E=18または8です。
A+C+E=18の場合、AB+CD+EF=189となるため条件に合いません。
よって、A+C+E=8、B+D+F=19です。
A+C+E=8となる、0以外の数字の組み合わせは、

(1、1、6)(1、2、5)(1、3、4)(2、2、4)(2、3、3)

残りが少なくなりましたので、(1)でわかった、A+D=9、B+E=9、C+F=9と組み合わ せて調べていきます。 ←ポイントNo.4
例えば、A=1、C=1、E=6のとき、B=3、D=8、F=8
となります。
つまり、(A、C、E)の組み合わせ1つにつき、(B、D、F)も必ず1つだけ対応することになります。
したがって、(A、C、E)の組み合わせの個数を求めればよいことがわかります。
(1、1、6)と(2、2、4)と(2、3、3)は3通りずつ、
(1、2、5)と(1、3、4)は3×2×1=6通りずつありますので、
3×3+6×2=21通りが答えになります。

今日のポイントを使って問題にチャレンジ!

1から5までの数字を1個ずつ使った5けたの整数32154は、どの連続する2けたをとっても、32=4×8、21=3×7、15=3×5、54=6×9のように、九九の答えの数字になります。1から9までの数字を1個ずつ使った9けたの整数のうち、このような性質を持つ整数を答えなさい。
(2015算数オリンピックトライアル問題)
※解答解説は次回掲載いたします。