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投稿日:2016年05月06日

テーマ: お悩み解決 / 社会

継続は力なり 社会5つの視点 概論

みなさん、こんにちは。受験ドクターで算数と社会の講師をしておりますM. Y.です。

今回から5回にわたり、社会の効果的な学習法について、連載させてもらおうなかと思っております。

私ども受験ドクターでは、毎日年中無休で『プロ講師による学習相談』というものを実施しております。その学習相談は、科目別にみますと、全体を100と考えた場合、算数:国語:社会:理科=40:35:15:10くらいなイメージですかね。

 

さて、その社会の学習相談ですが、圧倒的に多いご質問が、

「社会けっこう、時間をさいて覚えるわりには、点数に結びつかない。なぜでしょうか。」

「毎回の小テストはよくできるのに、大きなテストになるとできない。なぜでしょうか。」

の2つです。

 

このご質問に対する回答は実はとてもシンプルなんです。

ずばり「社会で得点力をつけるために5つの視点が必要なのに、そのうちの1つしかしていないからです。」

 

5つの視点?それはいったいなんなんでしょう。それは、

① 用語的な知識

② 地図・統計資料・歴史資料などの視覚的な知識

③ 文章・図表・グラフに対し分析する力・思考する力 (記述する力)

④ 問題作成者側の視点(選択肢のつくられ方)を見抜く力

⑤ 最近のニュースなどの時事的問題の知識

 

この①~⑤の5つの視点から学習すれば、社会の総合的な力がつき、まちがえなく得点力はついてきます。

 

おそらく、社会の勉強はやっているにもかかわらず、成績が伸び悩んでしまう生徒さんは、①の勉強しかしていないからです。つまり、テキストの大事な用語に線をひき、それを覚える。いわゆる一問一答形式な用語の学習だけで終わってしまっている可能性があります。

ですから、毎回の授業の小テストは、たいていが一問一答的な重要用語の知識を復習するものですので、その小テストでは得点がとれるのです。得点をとるための勉強をしているからです。

 

しかし、社会の入試問題や模擬試験はそうではありません。

たとえば、つぎの問題。

2015 普連土学園中

1 次の文を読んで、あとの問いに答えなさい。

日本において、明治から1960年代頃までは、石炭がエネルギー源の主力でしたが、中東から安い石油が大量に供給されるようになると、石油が中心となっていきました。このようなエネルギー源の転換を( A )と言います。日本は、( B )燃料である①石油・原油(*)・天然ガスの大部分を輸入に依存しています。

身近なエネルギーである電力は、主に火力発電・水力発電・原子力発電でまかなわれています。しかし、いずれの発電方法においても、わたしたちは環境への負担を考えなくてはなりません。水力発電では、ダムの建設のため、②森林が伐採されてしまいます。火力発電では、二酸化炭素を多く排出し、( C )の原因にもなります。原子力発電は、近年大きく割合を伸ばしていましたが、2011年3月には、③東京電力福島第一原発事故が起き、大きな被害がでました。

近年日本では、エネルギー資源の少なさや環境に配慮して、新エネルギーの開発が進められています。生ゴミや排泄物からでるメタンガスを利用する( D )発電や、火山運動などの地下のエネルギーを利用する( E )発電など環境に負担の少ないエネルギーを開発していますが、建設にコストがかかる、発電量が少ないなどの課題も多くあります。

*原油とは、精製する前の石油のことを言います。

問1 文の( A )~( E )に当てはまる語句を次から選び、答えなさい。

社会科問題1

問2 下線部①について、以下は日本の石炭・原油・天然ガスの輸入相手国の上位1~4位を示しています。a~cに当てはまる国名をあとのア~キから選び、それぞれ記号で答えなさい。

社会科問題2

問3 次の表は日本における火力・水力・原子力の総発電量の割合の変化を示しています。d~f に当てはまる発電方法をそれぞれ答えなさい。

4

問4 下線部②の役割について述べている文として誤っているものを一つ選び、記号で答えなさい。

ア 海に養分を供給し、魚を育てるはたらき。

イ ダイオキシンなどの有害物質を除去するはたらき。

ウ 土の中に水を蓄え、土砂崩れなどの災害を防ぐはたらき。

エ 風や雪などから家屋を守るはたらき。

問5 下線部③について、次の問いに答えなさい。

(1) この事故は国際的な原発事故の最悪レベルとなるレベル7に認定されています。これは、1986年に旧ソ連の原子力発電所で起きた事故と同レベルの水準です。この原子力発電所の名前を答えなさい。

(2) 原子力発電について述べた文として誤っているものを一つ選び、記号で答えなさい。

ア 石油危機以降、注目されてきたエネルギーである。

イ ウランが核分裂するエネルギーで蒸気を発生させる。

ウ 少ないエネルギー源で大きな電力が得られる。

エ 地球温暖化の原因となる二酸化炭素を多く排出する。

 

だいたい、入試問題や模擬試験というのは、このようなイメージの問題になっていますよね。

 

問1は①の用語的な知識の問題です。

問2・問3は②の視覚的な知識の問題です。

問4は④の選択肢を見抜く力

問5は⑤の時事的なことがらを利用した問題です。

 

このように、入試問題や模擬試験の社会の問題は、用語的な知識のみですと、出題のされ方の1つにしか対策がとれませんので、ある意味、点数がとれなくてあたりまえなのです。

 

では、どうすれば、5つの視点が身についていくのでしょう。

それは次回から、1つ1つ、説明していきますね。

また次回、お会いしましょう。

 

 

あ、2015年普連土学園の入試問題の答えをのせておきますね。

 

問1 A エネルギー革命  B 化石  C 温暖化  D バイオマス E  地熱
問2 a オ  b カ  c ウ
問3 d 水力発電  e 火力発電  f 原子力発電
問4 イ
問5(1) チェルノブイリ  (2) エ

どのくらいできましたか?

 

 

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