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投稿日:2016年11月29日

テーマ: 算数

6年生これだけおさえて!消去算 その2

皆さんこんにちは。

算数科の吉岡英慈です。

 

さて、前回のブログでは消去算の活用法について解説いたしました。

今回は、入試問題での消去算の応用と、消去算の正体を暴きます。

 

<入試問題での消去算>

割合と比の文章題だけでなく、つるかめ算までも解けてしまう消去算ですが、

実際の入試での活用法を見てみましょう。

早稲田中学 h25第1回 抜粋

坂の途中に学校、太郎の家、次郎の家、花子の家があります。太郎の家は学校より坂の上に、次郎の家は学校より坂の下にあります。

学校から太郎の家に行き、すぐにもどって学校の前を通り次郎の家にいくと65分かかります。学校から次郎の家に行き、すぐにもどって学校の前を通り太郎の家に行くと90分かかります。坂を下る速さは上る速さの2倍です。

学校から太郎の家までいくと( ア )分かかり、学校から次郎の家まで行くと( イ )分かかります。

<速さの問題で消去算?>

速さの問題でも消去算が使える場合があります。

この問題を読んだだけで消去算だ!と気づく必要はありません。

作図をし、条件を整理していくうちに消去算だと見抜きましょう。

 

まずは線分図で整理します。

「学校から太郎の家に行き、すぐにもどって学校の前を通り次郎の家にいくと65分」

「学校から次郎の家に行き、すぐにもどって学校の前を通り太郎の家に行くと90分」

2つの条件をそれぞれ図にすると

消去算解き方 1

速さの問題の必須解法、距離が等しいところでは、速さの比と時間の比が逆比であることから

黄色く囲んだ部分の上り(青)と下り(赤)の速さの比が1:2、上り下りにかかる時間の比は逆比の2:1となります。

消去算解き方 2

ただし、学校から太郎の家までと、次郎から学校までの距離は異なりますので

時間は○と□を使って書き分けます。

消去算解き方 3

さらに学校から次郎の家へ向かう時間、学校から太郎の家へ向かう時間もうまります。

消去算解き方 4

さて、全ての移動の時間が比で表わせましたので、式を立ててみましょう。

消去算解き方 5

整理すると

消去算解き方 6

はい!消去算に持ち込むことができました。

あとは解くだけですね。

 

このように、難関校の入試問題では、問題を読んですぐに消去算とわかるものは

あまり出題されません。

むしろ、条件を整理していくうちに、消去算で解けると気づくような仕掛けになっています。

普段から比を見つけたら①と書き込むことを習慣にしましょう!

 

<消去算の正体とは・・・>

5年生の「マルイチ算」は○を活用する計算法。○は、文字式、x(エックス)の代用品でした。

6年生の「消去算」では○に加えて△や□が登場しました。

つまりxに加えてyやzが登場したことになります。

 

数学好きのお父さま、お母さまはもうおわかりかと思います。

 

消去算の正体は、「連立方程式」です。

 

代入法、消去法という2通りの解法で中学生を苦しめる連立方程式が、

中学受験ではあたりまえのように登場しています。

 

5年生にはマルイチ算、6年生には消去算が大切である理由は、

一次方程式が解けて、連立方程式がつかいこなせれば、「中学受験の割合と比の文章題の大部分が解けるから」です。

 

お父さま、お母さまも、算数を教えるときに、数学を使えば解けるのになぁ。という場面があると思います。

そんな時は、xを①として考え、連立方程式は消去算として教えてあげれば良かったのです。

算数ドクター