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投稿日:2016年10月28日

テーマ: 算数

6年生これだけおさえて!消去算

皆さんこんにちは。

算数科の吉岡英慈です。

 

算数には〇〇算と呼ばれるものが山ほどあります。

数ある解法の中で、特別なひとつを選ぶとしたら

5年生には「マルイチ算」、6年生は「消去算」推しでいきたいと思います。

 

マルイチ算については、前回の「5年生これだけは覚えてマルイチ算!」で解説しました。

今回の消去算は、マルイチ算の次のステップとして扱いますので、マルイチ算から読んでいただくとよりスムーズです。

 

さて、消去算です。

4年生で初登場し、2本の式を比べるという慣れない作業に、それなりの難しさこそあるものの

やりかたさえ覚えてしまえば得点できる単元でした。

5年で復習しますが、6年では独立した単元としては扱う塾は少ないでしょう。

 

しかし、消去算が本当の威力を発揮するのは

「比を学習して以降である」

と声を大にして言わせて頂きたい。

 

消去算は6年生こそ力を入れて学習すべき単元なのです。

 

比を理解し、マルイチ算を知ったうえで消去算をマスターすれば

ほとんどの割合と比に関する文章題は解ける!といっても過言ではありません。

そのくらい汎用性が高く便利。

 

この記事では、消去算の解き方というよりも

消去算の使いどころを、例をあげてみていきます。

 

<消去算の使いどころ>

 

まずはオーソドックスな消去算の問題から確認です。

 

例題1

兄と弟の所持金の比は5:3でした。

兄が100円、弟が200円使ったところ、所持金の比は3:1になりました。

兄の初めの所持金は何円でしたか。

 

今回は、解けるかどうかはさておき、2本の式が立って、

ここから先は消去算で解けるというところまででOKです。

 

このような式がパッとイメージできましたか?

消去算 1

いかがでしょう。

ほとんどの6年生は上のように立式できたはずです。

例題1のように、文章中に比が2種類書いてある場合、容易に2本の式を立てることができますね。

1つ目の比には○を、2つ目の比には□や△で囲んで区別しましょう。

 

次は少しだけわかりにくくします。

 

例題2

現在、兄は24歳、弟は20歳です。兄の年齢が弟の年齢の1.4倍

だったのは何年前ですか。

 

パッと2本浮かびましたか?

 

例題1と異なり、比が記されていませんが

1.4倍という倍率が示されています。

この倍率を比に変えて…

 

1.4倍 ⇒ 兄 : 弟=7 : 5

 

はい、これで式がたてられますね。

消去算 2

後は消去算で解くだけです。

 

例題1が倍数算、例題2が年齢算ですが

どちらも結局は消去算で解けてしまいます!

もう一つ問題をみてみましょう。

 

例題3

ある小学校の昨年の生徒数は男女あわせて300人でした。今年は男子の人数が昨年より5%増え

女子の人数が昨年より6%減ったため、生徒数は男女あわせて293人になりました。

今年の男子の人数を答えなさい。

 

この問題でも、2種類の比率が示されています。

%や分数を含む割合表記は、比にかえて丸を付けてしまおう、というのが前回マルイチ算でした。

割合を比に変えます。

 

5%増えは、⇒ 昨年の男子 : 今年の男子 = 1 : 1.05

6%減りは、⇒ 昨年の女子 : 今年の女子 = 1 : 0.96

 

去年の男子+今年の女子=300

去年の男子+今年の女子=293

という形で式を立てると…

消去算 3

あとは消去算でOK!

大変便利だということがおわかり頂けたと思います。。

 

<消去算は万能!?>

それでは今回のまとめです。

・消去算は割合や比が2種類以上登場する問題で威力を発揮する

・1つ目の比には○を、2つ目の比には□や△で囲んで区別して式をたてる

 

最後におまけ。

実は、有名な”あの問題”も消去算で解くことができます。

 

問題

つるとかめが合わせて10匹おり、足の数はあわせて26本です。

つるは何匹いますか。

 

でました。

何を隠そうつるかめ算です。

 

消去算をつかうと

消去算 4

一本目の式は

つるとかめが合わせて10匹より

消去算 5

足の数があわせて26本より、2本目の式が立ちます。

消去算 6

あとはこれを解いて①を求めればおしまい。

消去算、万能という気すらしてきますね。

 

今回はここまで。

次回は、入試での消去算の応用問題と、消去算の正体を暴きたいと思います。

算数ドクター