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投稿日:2017年08月17日

テーマ: 算数

論理的に絞り込む!

こんにちは!
受験ドクター算数科のRS講師です。

毎日あついですね~・・・(――;)

シェリルの誕生日 4

 

夏期講習まっ盛り!・・・といってもあと2週間ほどでこの夏も終わりです。
後半戦に突入する前に、予定を立て直したり、目標に修正を加えたり・・・
悔いの無い夏休みにするために、ここで一度夏休みの前半を振り返ってみてもいいかもしれませんね。

我々受験ドクター講師陣も、後半戦頑張って参ります!

さて、今回はちょっと息抜きということで、受験算数を離れて、論理パズル問題で遊んでみたいと思います。

少し前、インターネットで話題になった「シェリルの誕生日」という問題があるのですが、皆様はご存じでしょうか。
「とても面白い」という意見がある一方で、「ぜんぜん分からない」という人もたくさんいて、論理思考力を試されるとてもよく出来たおもしろい問題です。

え?こんな情報だけでなんで解けるの?と一瞬思ってしまう問題だと思います。
次のような問題です。

【問題】
シェリルはアルバートとバーナードと知り合ったばかりで、2人はシェリルに誕生日を尋ねました。
シェリルは、誕生日は下の10日のうちのどれかだと答え、アルバートには実際の誕生月を、そしてバーナードには実際の日にちをそれぞれ個別に教えました。
5月15日、5月16日、5月19日
6月17日、6月18日
7月14日、7月16日
8月14日、8月15日、8月17日
アルバート「ぼくはシェリルの誕生日は知らないけれど、バーナードも知らないよ」
バーナード「ぼくは最初はシェリルの誕生日を知らなかったけど、今はわかったよ」
アルバート「それなら僕も誕生日がいつかわかった」
シェリルの誕生日はいつでしょうか?

・・・・さて、皆さん解りますか?
二人とも「知らない」と言っているだけで、誕生日を特定する情報が追加されているわけでもありません。なのになぜ解けるのでしょう?

実は、この問題を解くカギは「知らない」という情報によって、候補の日にちのいくつかが、除外されていくというところにあります。

それぞれのセリフから何が除外されていくのか、考えてみましょう。
もし正解の日付が5/19であればバーナード(B)は最初から答えが分かってしまいます。
なぜなら、19日があるのは、5月19日だけなので、月を教えてもらっていなくても、正解が分かってしまうわけです。
ということは、アルバート(A)が、「バーナード(B)も答えが分からないはずだ」といっているわけですから、
ですので、このように「日」だけで特定出来てしまう19日と18日は正解ではないと分かります。
また、これによって、アルバート(A)が聞いている「正しい月」は5月でも6月でもないことも同時にわかります。
このことを表に表してみましょう。

シェリルの誕生日 1

表の中の「1」の数字は、答えの候補として上がっている月日を表しています。
アルバート(A)が分からないということから、消去できる日付は何もないですが、
バーナード(B)が分からないということから、5月と6月を含むすべての候補が消えます。
表で灰色に塗ったところが、対応しています。

この段階で、7月14日、7月16日、8月14日、8月15日、8月17日が残っています。

さて、次のバーナード(B)セリフを見て下さい。
「アルバート(A)はまだ答えを特定出来ないけど、自分(B)は答えが特定出来る」と言っています。
バーナード(B)はこの時点で、「14、15、16、17」のどれかを聞いているはずですが、
もし、バーナード(B)が14日と聞かされていたら、この時点で残っている7月14日と8月14日で悩んでいるはずですから、
バーナードが聞いている日付は14ではありません。(緑がきえる)

シェリルの誕生日 2

さらに、この段階で、バーナード(B)は15日、16日、17日の中の正解を知っていますので、
どの日付であろうが、誕生日を特定出来る状態になっています。

そして、バーナード(B)が特定出来たあとに、アルバート(A)も特定することが出来ました。
もし、アルバート(A)が知っている情報が8月だとすると、アルバート(A)は8月15日か8月17日かを特定出来ないということになってしまうので、
特定出来るのは7月16日だけということになります。(オレンジが消える)

シェリルの誕生日 3

以上より、正解は7月16日 ということになりました!

さて、いかがでしたか?
「分からない」ということが候補を絞り込む手がかりになるという面白い問題でしたね。
このような論理的な絞り込みには、上のような「表」が非常に有効だということがおわかりになるかと思います。
この問題は、数学オリンピックの14、15歳部門で出題された問題なのですが、数学オリンピックの問題が、受験算数の問題に影響を及ぼすこともたびたび指摘されています。
実際、H28の本郷中の算数で、「わからない」を絞り込む材料に使う問題が出題されています。
たまには、本筋から離れて、頭の体操のような感覚で数学、算数オリンピックの問題に触れておくのも、有益かも知れませんね。

さて、今回はここまで。
次回は、このような表で絞り込むパターンの似たような問題を取り上げてみようかな・・・?

ではまたお会いしましょう~(^.^)/~~~

算数ドクター