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投稿日:2016年06月22日

テーマ: 算数

一行問題が取れないんです〜標準問題の定着〜

「大問は取れるのに、一行題で落としてしまうんです」
というお悩みをよく聞きます。

テストで大問3、4、5辺りはできるのに、なぜか大問2で出てくるような一行題をポロポロ間違えてしまって、
そこができていれば偏差値60行ったのに〜とか、偏差50の壁を越えられたのに〜と
涙を流している生徒さんがいます。

なぜ落としてしまうのか

原因としてよくあげられるのが、
1.ケアレスミス
2.インプットが不十分
です。

確かにご自分のお子様の答案用紙を見ると「計算ミスが多いな」とか「なんでここで約分ミスしちゃうのかな」などなど嘆きたくなるようなミスだったり、「あれうちの子、そもそもつるかめがわかってない?」などびっくりするような間違いなどが見られるのではないでしょうか。

このケアレスミスとインプットが不十分という2つの原因を踏まえながら、ここでは私が指導をしていて感じることを具体的にご呈示し、最後にここだけの秘密対策をご提案致します。

1.ケアレスミス
(1)テストの時間に慣れていない
生徒さんたちは、日頃から時間を計って問題を解いていないため、テストの限られた時間に慣れていません。
テストではだいたい50分や45分の中、大問1から7ぐらいの量をこなさなくては行けません。そのため、子どもたちの目は、一問に集中しているようでそうではなく、先の問題に目がいってしまい一つの問題に集中出来ていない可能性が高いです。

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授業の中で、一行題を10問くらい解いてもらいます。
その中で、生徒さんの目線に注目したことがあります。
しっかりと10問解ききる子は、目があっちこっちいかないのです。まず全体を見渡しています。そして、始めの問題から1つ1つ解ききってから次の問題にいきます。余裕があると言ったらそれまでかもしれませんが、一つにかなりの集中力をつかっているのを感じます。

しかし、分かるのに解ききれない生徒さんは、問題を解きながら、視線が他の問題に向いている事があります。器用と言えば器用ですが、そうすると、数字を見間違えていたり、「弟の速さは」と聞かれているのに「兄の速さ」を出してしまったりしているのです。

つまり、1つの問題への集中力が必要です。

(2)小さなミスの中に、約分ミスだったり、数字の見間違い、見落としがある
また単位変換についてのしっかりとした知識が入っていないため、単位を一つ間違えたということが頻繁に起こっています。面積(a、ha、㎠、㎡など)、体積(リットル、㎤、㎥、ミリリットル、デシリットルなど)を確認しておきましょう。(1)で述べたように、1つへの集中力が欠けているため、式や考え方までわかっているのに、最後の最後で計算ミスをしていたり、答えが17と出たのに解答用紙になぜか71と書いていたり。

2.インプットが不十分
そもそも大問2はだいたい偏差値50くらいの標準問題です。
しかし、式や筆算、考えた図などの形跡が残されていない問題用紙をみることがあります。
生徒に尋ねると、「全くわからなかった」と。
つまり、標準問題にも関わらずまだ根本原理が頭の中に入っていないということです。

ここからが大切です。
では、こういったミスや不十分なインプットをどのように補強できるのか。
塾別にご提案したいと思います。

 

ここだけの秘密対策
サピックス生
・「キソトレ」基礎力トレーニングを必ず毎日解いて下さい。
ただ、そのときに、1日目、2日目、3日目・・・とやっていると、同じ問題の数字替えだけになっている日が4〜5日続いてしまいます。なので、1日目、6日目、12日目・・・など、4日ないし5日おきの問題を解くようにしましょう。そうでないと、子どもたちは、慣れてくるとやはり頭を使わずに公式に当てはめるというやり方をしてしまったりします。それは絶対に避けなくては行けません。

・一行題の練習となる問題を選択してあげる
例えば、6年生も5年生も、今までやった組分け、マンスリーなどを引っ張り出して(この時期ですと、2、3、4月頃に)やった問題の大問2をひたすら解くということをします。
ただ、時間をしっかりと計ってです。15分〜20分くらい。

日能研生
・計算と漢字はあまり良くない
少し簡単すぎてしまい物足りない問題構成になっています。
練習としては、『計算問題ランキング』を使って計算を。また『下克上算数〜基礎編』か『下克上算数〜難関編』など、一行の文章題や図形問題がでている問題集を使って練習させましょう。

・公開模試で練習
カリテはあくまでもその週までのおさらいになっているので、そうではなく、範囲のない公開模試を探して練習してください。大問2だけを抜粋してノートを作ってあげてもいいでしょう。

四谷生
・『計算』というテキストが各学年ありますが、計算の練習は単位変換も適度に入っていてよいのですが、
一行題の文章や図形の問題が薄いです。各単元ごとになってしまっているのでやはりランダムに出てきている問題に対応する力をつけるとなると少々物足りないテキストです。

・合不合や組分けテストを引っ張り出しましょう
大問2は、やや最近難しい傾向が見られますが、基礎から応用までのバラエティーに富んだ問題構成なので
練習としては良問でしょう。3月、4月、5月のテストをもう一度手元にご用意し、大問1、2を25分〜30分計って解いて下さい。そして、どれくらいできたのか担当の先生に見てもらう事をお勧めします。

また、市販で購入出来る問題集で、
オススメは、
『実力突破〜毎朝の算数・計算と一行問題〜』という問題集が受験研究社から出されております。結構難問です。
または、
『まいにち算数』みくに出版から出されている問題集は昨年の6年後半追い込みのときにかなり役に立ちました。

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どのように問題集を使っていくか、問題の解き方、時間の使い方など、具体的なアドバイスは個々の先生から指示してもらいましょう。
とにかく、単元ごとの学習も必要ですが、ランダムに出てきても解けるようにしておく力を付ける事も大切です。それには根本原理をしっかりと頭に入れておく事が大事です。

まとめ

1.ケアレスをしない1問への集中力を高める
2.標準問題の根本原理をしっかりと頭に入れる
3.ランダムにでてくる一行題対策を日々の学習に取り入れる

 

 

算数ドクター