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投稿日:2016年10月11日

テーマ: 理科

2017年入試に出る! 地震のしくみ③

算数・理科担当の大木快です。

受験生のみなさん。勉強に疲れたら、適度な休憩をとりましょう。

脳を休めるためには、何も考えないことが重要。ゲームはダメですよ(笑)。

たまには空を見てみましょう。うろこ雲、羊雲、…秋らしくなってきましたね。

 

今回は、シリーズ3回目。地震が発生した場所を求める方法を考えていきます。

まずは前回のおさらい。

 

・地震を伝える2つの波の速さの違い(P波:5~7km/秒 S波:3~4km/秒)により、地震波が到着するまでの時間が違う

・その時間差=初期微動継続時間(P-S時間)は、震源からの距離に比例するので、初期微動継続時間が分かれば、震源からの距離が分かる

というものでした。今回はいきなり問題からスタートです。

問題1  次のうち、理科用語でないものを一つ選びなさい

①震源 ②震源地 ③震央

理科 地震の仕組み 1

正解は、②の震源地です。テレビのニュースではおなじみですが、理科用語ではありません。

同じく、「よく聞くけど理科用語じゃない」言葉に「ゲリラ豪雨」というのがあります。ニュース用語なので、社会の問題で問われる可能性はありますね。

さて、選択肢の中で小学生になじみがないのが、③震央です。なぜでしょう。

 

 

震央は、震源の真上の地点のことで、大人にはなじみがあるかも知れません。中学校の教科書に載っているからです。ところが、小学生は知りません。聞いたことがないからです!確かに、テレビでは「震源地は○○県北西部、マグニチュードは…」といっていますね。こちらのほうがなじみがあるでしょう。

もちろんこんな入試問題は出ないのでご心配なく!

 

続いて中学入試に関する問題。

問題2  震源地、震央のうち、入試問題で使われているのはどちらでしょう。

①震源地 ②震央 ③両方

正解は ③両方 です。

震源地、という言葉は問題文中で震源の真上の地点を表すのに使われます。では作問者は震央という言葉を知らないのか、というと、おそらく「知っていて」使ったものと思われます。

先ほど述べたように、震源地のほうが小学生になじみがあり、通じるだろうから。受験生に対する気配りを感じます。

では「震源の真上の地点を何というか」という問いはどうでしょう。実際に用語を答えさせている学校があります。

ここでは震源地よりも震央のほうが適していますね。

このように、用語一つとっても、学校によって扱いが異なるので、注意が必要です。

 

さて、今回のテーマである震源の特定ですが、前回までのお話で初期微動継続時間が分かれば、震源までの距離は分かりました。あとは震源の位置、ということになりますね。

例えば震源から50kmのA地点からは、50km離れた点の集合はAを中心とする半径50kmの球面ですから、震源の場所は球面上のどこかまで絞られます。

また、震源から80kmのB地点からは、半径80kmの球面を考えます。同じく、この球面上のどこかに震源があります。

そこで、2つの球面の共通部分を考えると、

理科 地震の仕組み 2

こうなります。青い線で示したのが、共通部分です。雪だるまの頭と胴体の境目部分と考えてください。

ここで、地面より下を考えるために、上半分は取り除きます。すると

理科 地震の仕組み 3

こうなります。

これで、震源の位置がこの青い線上のどこかにある、というところまで特定できました。面から線に絞られました。あと一息。

震源の特定にはもう一つの観測地点Cを考える必要があります。C地点から、震源距離を半径とする球面を考え、先ほどと同じように球面AとCとの共通部分を考えると、球面A上に、2つのリングができますね。真上から見ると、こうなります。

理科 地震の仕組み 4

2つのリングは直線状に見えています。

この2つのリングの共通部分(=交点)が、震源ということで、ようやく震源の位置が特定できました!

理科 地震の仕組み 5

図は上から見ているので、震源と、その真上の震央とは重なって見えています。

いかがでしたか。入試に出る、と言えば、最近頻出なのが、「緊急地震速報」です。なぜ出題されるか。とにかくすごい技術だから。何がすごいのかというと、P波を検知して、S波が来る前に、速報を伝えるわけです。つまり、あの地震波よりも速く情報が伝わってきているのです。地図の上にコンパスで円を描いていては、間に合わないでしょうね(笑)

緊急地震速報を可能にするための条件は、次の通りです。

①発生した地震波(P波)の観測

②観測データから、瞬時に規模や震源を計算する

③予報の短時間での伝達

技術の進歩により、これらのことが瞬時に行われるシステムが構築されたことで、はじめて地震波本体が来る前に速報が届くようになったということです。

1秒でも早く退避行動がとれれば、多くの人的被害を減らすことになるでしょう。夢のような技術だと思いませんか。

 

それだは第3回のまとめです。

・震源の真上の地点を震央という。3地点の観測データが得られれば、震源の位置を特定することができる
・地震のデータ検知、計算、情報伝達のスピードを上げることで、地震波よりも速く、緊急地震速報が届くようになった

ただし、震源が非常に近い場合は、地震が先に来ることをお忘れなく。

理科ドクター