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投稿日:2016年10月08日

テーマ: 国語

国語の家庭学習で気をつけたいこと①

みなさん、こんにちは。受験ドクターのNです。

今回は「国語の家庭学習」について。

 

「先生、家で子どもに何をしてあげればいいですか?」

「何もしないで結構です。いや、というより、なにもしないでください。」

 

親御様からのご質問に対して、私はたいていこのように答えるようにしています。

実は「本当に何もしない」ということではないのですが、

「お勉強に対して直接的な手助けは要りませんよ」という意味を込めて、

まずは「何もしないで」と申し上げているのです。

※たとえば、日常生活全般においては「会話レベル」や「精神レベル」を向上させる

ための様々な配慮が求められますが、それは「ふだんの心がけ」であって、ここで

述べようとしている「学習への働きかけ」とは区別したいと思っています。

 

学習内容に対して積極的な関与はしない。では、どうすればよいか。

先にポイントを列挙しておきますね。

 

A 漢字・知識を練習する習慣をつける声かけ

B 文章を音読する習慣をつける声かけ

C その日の課題が終わったら答え合わせする習慣をつける声かけ(解答の管理)

 

「なんだ、声かけばっかりじゃないか。そんなのでいいの?」と言われそうですね。

そうです。いいんです。

 

家庭学習を効果的に実り多きものにするためには、次のような考え方が必要です。

 

①自力でできる

②悩まずできる

③毎日少しずつ進められる

 

言うまでもなく、国語の家庭学習における最優先項目は「漢字・知識」です。

お子さんが持っている教材はどんなものでしょうか。漢字であれば、

読み・部首・画数・筆順はもちろんのこと、用例も具体的に載っているでしょうね。

知識も細かい説明が施されているはずです。

 

独力で学習できますよね。

親御様が助けてあげる必要はありません。留意点はひとつだけです。それは

「学習ペース」です。

 

暗記学習を好むようであれば話は別ですが、きっと面倒なこととしてとらえているであろう

多くのお子さんにとって、

漢字・知識の練習は「機械的でつまらない」「できれば手を抜きたい」もののはずです。

「時間があるときにまとめてやろう」という扱いになってしまいがちです。

ご理解いただけることと思いますが、

覚える学習は、長時間かけてまとめてやっても大した効果はありません。

大切なのは「頻度」。繰り返しです。そして、さらに申し上げると、

覚えた後になるべく別の刺激を脳に与えない。

どうやらそういったことが大切なようなのです。

「どうやら」という表現を使ったのは、科学的に実証したわけではないからですが、

経験的にはまず確かなことであると言えます。

つまり、「毎日・寝る前・すこしずつ・同じ範囲を何度も練習する」ことが求められる

ということなのです。

たとえば、日曜の朝にまとめて二時間かけて漢字を練習するお子さんがいたとしましょうか。

他では一切やらない。極端な話ではありますが、まあふつうに考えて定着度はきわめて低い

ものになるでしょう。

これを「毎日寝る前10分」に切り替えるのです。

一週間の総時間量はこちらのほうが50分も少なくなりますが、

「全範囲を毎晩繰り返し書く」のであれば、こちらのほうがまちがいなく効果は上がります。

このようなことはいちど習慣化されてしまえば後はとてもラクなのですが、

そうなるまでには、親御様の協力が必要です。

指導の場で私はよくこう言います。

「顔を洗ったり歯を磨いたり…毎日ふつうに繰り返していることってあるよね?

漢字や知識の練習もそんなふうにしてしまえばいいんだよ。」

生徒たちはすぐに納得してくれます。ただ、「わかっちゃいるけど…」ついつい悪気なく

サボッてしまうお子さんは、わずかながらではあってもいるものです。

まだそのような習慣ができていないようでしたら、「そろそろ漢字の時間だね」という

ひと声をかけてあげてください。それで充分です。

国語ドクター