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投稿日:2011年09月15日

テーマ: 算数

「歩幅の問題」

今回の「基本を考えよう」は「歩幅の問題」です。理解しにくい問題です
ので、公式を覚えて解いている生徒さんも多いようです。


【問題】

Aさんが3歩であるく距離をBさんは4歩であるきます。また、Aさんが
4歩あるく間に、Bさんは5歩あるきます。いま、Bさんが50歩あるい
たとき、AさんがBさんを追いかけるとAさんは何歩で追いつくでしょう。



【解説・解答】

歩幅と言うのは「1歩の長さ」のことです。

AさんとBさんの1歩の長さ(歩幅)が同じであれば、速さの比は

    A : B = 4歩 : 5歩

なのですが、AさんとBさんの歩幅の長さが違うので単純に速さの比を
出すことができません。

そこで公式を使うと

    速さの比=歩幅の比 × 同じ時間の歩数の比


になります。


なぜ、このような公式になるのか考えてみましょう。



まず問題文の「Aさんが3歩であるく距離をBさんは4歩であるきます。」
を線分図を書いてみます。


ここから二人の1歩の長さ(歩幅)を出します。Aさんの3歩とBさんの
4歩が同じですので、その長さを①とおきます。


こうすると、AさんとBさんの1歩の長さの比が出てきます。



次に問題文の「Aさんが4歩あるく間に、Bさんは5歩あるきます。」に
注目します。

Aさんが4歩あるく時間とBさんが5歩あるく時間が同じと言うことです。

「速さ」とは、ある時間にどれだけの距離を進んだか、を表したもので、
時速であれば、1時間でどれだけの距離を進むか、分速であれば、1分で
どれだけの距離を進むか、を表したものです。

同じ時間で、AさんとBさんがどれだけの距離を進むかを出してみましょ
う。

Aさんの1歩の長さの比は④ですから、4歩は ④×4歩=⑯ になります。
Bさんの1歩の長さの比は③ですから、5歩は ③×5歩=⑮ になります。


つまり、同じ時間に進む距離は

    A : B = ⑯ : ⑮

になり、これが速さの比になります。

ですから、公式のように


    速さの比=歩幅の比 × 同じ時間の歩数の比

になるわけです。



問題に戻ります。

   「Bさんが50歩あるいたとき、AさんがBさんを追いかけると
    Aさんは何歩で追いつくでしょう。」


速さの比が A : B = ⑯ : ⑮ ということは、同じ時間に進む
距離の比も

    A : B = ⑯ : ⑮
    
になります。線分図で書くと


となり、Bさんの50歩=① になりますから、

   Bさんの1歩の長さ(歩幅)で、

   Aさん 800歩    Bさん 750歩

進んだことになります。

Aさんは、Bさんの歩幅で800歩進んだのですから、これをAさんの歩幅に
計算しなおします。


「Aさんが3歩であるく距離をBさんは4歩であるきます。」ので、

   A : B = 3歩 : 4歩 =  □ : 800歩

 
つまり、800×3÷4=600


                        答. 600歩



以上、今回の「基本を考えよう」は「歩幅の問題」でした。