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投稿日:2012年06月20日

テーマ: 算数 / 自由が丘校

入試に使える算数の基礎 ~立体の切り口~

【問  題】

1辺の長さが6cmの立方体3個を下図のようにつないだ立体を、
3点 A、B、Cをとおる平面で切りました。切り口を書きなさい。

[ラサール]

【解答・解説】

ラサールが大好きな「立体を切る」問題です。
まず、「切り口」がどうなるのか、考えてみましょう。

 

 ★~立方体の切り口には法則がある!

「立体を切る」問題に苦手意識を持っている生徒さんも多いのではないでしょうか。

しかし、立方体を平面できる場合、法則があります。
この法則を理解し、使いこなせれば、「立体を切る」問題なんて
苦手意識を持つことはありません。

その法則とは

  ①同じ平面上にある点は結ぶ
  ②平行な平面の切り口の線は平行になる
  ③平面を延長して考える

この3つの法則を使って例題を解いてみましょう。

 

 ★~例題

下図は立方体です。この立方体を3点 A、B、C で通る平面で切った時の
切り口を書きなさい。

 

では、解説してゆきましょう。まず、法則の①を使います。

同じ平面上にある点は AとCですからこの2点を結びます。

ここまでは皆さん、よくできると思います。しかし、この後、どうしていいか
図とにらめっこの生徒さんが多いのではないでしょうか。

点AとCは結べたけれども、点Bをどうすればいいのか。

 

 ★~法則②、③が威力を発揮!

法則②を使うため、点A、Cを含む平面を平行で、点Bを含む平面を探します。
もちろん、この例題では底面がそれにあたります。

法則③にしたがって、この底面を下図のように延長して考えます。

今、延長した底面と、点A、Cを含む面は平行ですから、
法則②より、その面の切り口は平行になるはずです。
底面の切り口は点Bを通るのですから、下図のような切り口になります。

ここまでくれば簡単です。上図のように点X、Yとすると、
点AとX、点CとY はそれぞれ同じ平面上にありますから、
結ぶことができます。


さらに、線分CYと面の交点を点Z とすると、
点BとZは同じ平面上にありますから結ぶことができます。
つまり、切り口は数のようになるわけです。

 

 ★~ラサールの問題に挑戦!

では、ラサールの問題に戻って切り口を考えてみましょう。

3点 A、B、Cをとおる平面できるのですから、法則①にしたがって、
まず、同じ平面上にある点はないか、探します。

点AとCは離れていますが、平面を延長すると、
同じ平面上にあることがわかります。

この点AとC を含む平面に平行で、点Bを含む平面を見つけ、
延長して考えると下図のようになります。

線分ACと平行で点Bを通る直線は線分XYになります。

さらに、点AとX、点CとY は同じ平面上にありますから、
下図のように結ぶことができます。

もう一つの難関は点ZとCにかかわる切り口です。

しかし、法則②を使えばできます。点Zを含む平面は点AとXを含む平面と
平行です。つまり、線分AXと切り口は平行になります。

下図のように点Rをおくと、点RとCは同じ平面上ですから、
結ぶことができます。

あとは、点BとSをつないで終了です。つまり、答は

になるわけです。

切り口の形は複雑ですが、簡単です!