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投稿日:2016年10月05日

テーマ: 算数

間違いだらけな読解力のとらえ方

みなさん、こんにちは。 海田真凜です。

 

なんだか秋が近づいてきた感じがしますね。

秋は大好きな季節です。

 

なぜなら

モンブランの季節だから。

算数 読解力

いつもなら漆黒のイラストしか載せないのに

今回ばかりはカラー♪

(これ、真っ黒にすると、もはやケーキだと判別できない)

 

ホームページの講師紹介文にもあるように

モンブランにはこだわる海田。

偏食魔王の称号にふさわしく

この時期は毎日食べています、はい。

健康に良くない

そんな周囲の忠告を、軽やかに聞き流し

 

今年も相当な数を消費するでしょう。

・・・

・・・

・・・やっぱ、ダメ人間かも。

 

 

さ、気を取り直して。

 

前回、前々回と

珍しく算数そのものについて語ったワタクシ。

 

たまには算数を語らないと

算数科の講師としてどうなのよ

と思ったので書いてみました。

 

今回は

「間違いだらけな読解力のとらえ方」

 

あれっ、国語?

 

いえいえ

 

ここでの読解力とは

あくまでも算数の読解力

 

「算数における問題文の読解力とは?」

というお題です。

 

ではいきます。

 

< 国語の読解力VS算数の読解力 >

 

まず、ここで確認しておきたいこと。

 

それは

算数の読解力は、国語の読解力とは異なる 

ということ。

 

算数の問題文の読み取りは

国語の成績によって大きく左右されるものではありません。

 

国語が抜群にデキるお子さんでも

算数では問題文の読み取りに苦心しているケースもありますし。

 

算数の問題文の読み取りで支障をきたしている

それは、国語ができないからではなく

算数の読解力に問題があるから。

 

う~ん、算数の読解力って厄介ですね。

 

 

< 「算数特有の意味」をおさえる >

 

国語の読解力が通用しない。

なぜ、こうも算数の読解力は厄介なのか?

その原因の1つとして

算数特有の意味」があげられます。

 

実は、算数には

この場合には、こう読まなきゃいけない

というものが存在します。

 

この「算数特有の意味」を教わらないかぎり

知らないから解けない

はっきりしないから解けない

そんなことがおきます。

 

以下、例を挙げて見ていきましょう。

 

 

< 言葉を補う必要がある場合 >

 

兄と弟の所持金の比は5:3です。
兄が弟に300円あげると、所持金の比は7:5になります。
兄の所持金はいくらですか。

倍数算の和一定のタイプですね。

 

この問題に初めて触れた生徒のうち

3割くらいが

「どの時点での兄の所持金を答えるの?」

そう質問してきます。

 

この手の問題のときは

もし兄が弟に300円をあげると、・・・」

と読まなければならない。

つまり、実際には300円をあげていないので

はじめの兄の所持金が問われているということです。

 

はじめの兄の所持金はいくらですか。」

と明記してくれることもありますが

それは親切な問題文。

はじめの、がなくても、そう読まなければならないのです。

 

 

< 注釈がなければ○○ととらえる必要がある場合 >

 

では、次の例。

1階から2階まで、2階から3階まで、それぞれ54段ずつの
エスカレーターがあります。
太郎くんは1階から2階まで、エスカレーターに乗りながら、
一定の速さで1段ずつ歩いて30段のぼったところで上に
着きました。
次に、2階から3階までのエスカレーターに乗りながら、1階
から2階までの2倍の速さでのぼりました。
1階から2階までと2階から3階までの、かかった時間の比を
求めなさい。

苦手なお子さんが多い、エスカレーター問題です。

算数 読解力2

太郎くんがエスカレーターに乗りながら歩く

ということは

このときの速さは

「太郎くんの自力の速さ+エスカレーターの速さ」

となります。

 

では、問題文中に出てくる「速さ」がどの速さを意味しているのか?

 

A:「太郎くんの自力の速さ」

B:「太郎くんの自力の速さ+エスカレーターの速さ」

 

どちらか迷うところですが

この場合、注釈やただし書きがなければ

A:「太郎くんの自力の速さ

を意味します。

 

算数の世界ではそう決まっているんですね。

 

もしBだとしたら

速さの比が1:2で、距離が同じだから

時間の比は逆比で2:1

とアッサリ解けてしまいます。

 

この問題文の長さで、このアッサリ感はおかしいし

問題文の3行目~5行目を使わずに解けるのもおかしい

と思ってほしいところではありますが。

 

 

< 論理パズル >
もう1ついきましょう。

[1]・[1]・[2]の3枚のカードがあります。
太郎くんと次郎くんが1枚ずつ選び、自分のカードは見ずに
相手にだけ見せます。
太郎くんは次郎くんのカードを見ても自分のカードに書かれて
ある数はわかりませんでしたが、次郎くんが「自分のカードの数
はわからない」と言ったのを聞いて、自分のカードに書かれた数
がわかりました。
太郎くんと次郎くんのカードの数は、それぞれいくつですか。

 

有名な論理パズルです。

 

初見で解かせると

意味不明、とつぶやく生徒が続出します。

 

問題文中の「わからない」は

今そろっている情報だけでは、答えが特定できない

という意味です。

算数 読解力3

太郎くんは

(1)カードは[1]・[1]・[2] の3枚

(2)次郎くんのカードの数

という2つの情報を持っています。

これでは、まだ自分のカードが特定できないということは

次郎くんが[2]の可能性は消えます。

 

もし次郎くんが[2]だったら

太郎くんは自分のカードが[1]だとわかるはずですよね。

 

そこに、太郎くんのカードを知っている次郎くんが「わからない」と言ったことで

太郎くんは新たにどんな情報を手に入れたのでしょうか?

 

いくつか例をあげましたが

これ以外にも、「算数特有の意味」はたくさんあります。

 

1つ1つおさえていくしかないので

算数における語彙力を増やす

と思って取り組んでください。

 

お、うまくまとまったかも。

 

それでは、また。

算数ドクター