中学受験生を持つ親御さんの中には、親御さん自身が勉強して、子供に教えることもあると思います。当会でも、そんな親御さんに役立つよう様々な情報・ノウハウを提供するように努めています。

しかし、このような親御さんのかなりの方が考え漏れをしています。高学歴で優秀な親御さんに多い傾向なのですが、大学入試や医師国家試験などレベルの高い学習を子供に強いてはいないでしょうか。

中学受験は高校受験や大学受験などの他の受験とは全くことなり、「子供は初めから、学習意欲がある訳ではないのです。」子供は楽しければやり、楽しくなければやらないのが子供です。親や講師の指導を受けた後に、興味を持つか、興味を失うか。」なのです。こんな早い時期に勉強嫌いになったら、それで終わりです。

このため、我々中学受験のプロ講師・プロ家庭教師には「高い指導スキル」が求められますが、まずその前に親御さんがいかに関わっておられるかが重要となります。中学受験の場合は、まず親御さんがレールを引きます。この中学受験をスタートさせる段階ですでに、その気になる子供と、その気がない子供に分かれてしまっているのも事実です。

よく私自身、親御さんの前で、あえて教え子に言うことがあります。それは…

「勉強が嫌いになるほど無理に頑張る必要はないんだよ!勉強がしたいだけやればいい!」

こんなことを言おうものなら、一部の親御さんは、食って掛かってくるかもしれません。

「そんな子と言ったら、うちの子は、本当にやらなくなっちゃいますよ!」「自分の子供じゃないからそんなのんきなこと言ってられんですよ。」

このように数限りない反論を耳にしました。

しかし、何十年も何百件もの親子関係を見ていますと、このようなことをおっしゃるご家庭こそ、うまくいっていないのです。中学校側は物事の本質を見極めることができる子供が欲しいのです。物事の本質を見極めることができない親御さんに、物事の本質を見極めることができる子供は育ちません。

「勉強が嫌いになるほど無理に頑張る必要はないんだよ!勉強がしたいだけやればいい!」

と言う意味は、「勉強でも仕事でも、本人がやる気をもってやらなければいい仕事ができない。」という物事の本質を言っているのです。そのため、暗に親御さんに「勉強への純粋なやる気を起こしていないのに、勉強をヤレ!ヤレ!と言ってもしょうがないですよ!」と言っているわけです。

子供に考えさせることが重要なのです。勉強はできたほうがいいにきまっていることは子ども自身知っています。そのため、指導者や親は「ヤレ!ヤレ!」ではなく、やりたくなるような環境つくりや言動など様々な工夫をして欲しいということを言っているのです。

親御さんも日々大変とは思いますが、我々は単なる応援者ではありません。我々と一緒に頑張りましょう。