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『桜蔭中に合格させるノウハウ一挙大公開!』セミナー(テキスト版-国語)

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【国語】桜蔭の50字以上の記述問題最新攻略法~基本から教える桜蔭対策~テキスト

では、まずこちらの方ですけれども、こちらの資料をご案内させて頂きます。ちょっと私の方は白黒版なんですけれども、こちらの桜陰の50字以内の記述問題・最新攻略法。こちらが国語の資料になります。それでこれからお話させて頂くのは、こちらの話の内容と今日いくつか用意させて頂いた資料がございます。まず1つ目なんですけれども、こちらがあると思います。これは昨年度、桜陰志望者で今年合格された2名の桜陰志望者の、実際、私が添削をした答案のコピーでございます。

まずこちらの色々な書き込みをしている横長の方ですけれども、こちらは大手進学塾のトップコースの子なんですけども、8月~9月ぐらいの実際に桜陰の過去問を解いてみて、さすがに授業中はこんなに細かく出来ませんので、2~3日時間を頂いて自宅学習としても出来るような形で、私自身が色々なコメントを書いて考え方まで踏み込んで解説していたものがこちらになります。こちらの縦長の方ですね。こちらに関しては、別の塾の桜陰コースに所属していた女の子なんですけれども、そちらの方で9月か10月ぐらいですね。この子はだいたい所属していたコースで偏差値70ぐらい国語を取っているんですけども、それでもこれぐらいやられてしまう状況です。

それで何が言いたいかというと、トップコースであったとしても桜陰の記述というものはかなり手ごわいという事なんですね。これが実際に結局こういう風に改善されている状態でも、何とか頑張って2人合格をしたという事なので、最初どんなに間違いが多くても、まずはしっかり前を向いて頑張るというのが、桜陰志望者のまず大切な事ではないかと思っております。

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次に、桜陰の問題とその回答の解説の用紙ですけれども、こちらは私が実際に書いたものです。実際今日は最後に、具体的な例の1つとして桜陰の解説を1題だけさせて頂きますので、どんな感じで解いていけばいいのかというのを体験して頂ければと思います。そして最後にお土産といったものなんですけども、実際にご家庭に帰ってお子様が桜陰を志望されているという事で、こちらの実際の問題ですね。私が実際に打ったものなんですけども、こちらを書いて頂いてドクターにFAXして頂ければ、私の方で無料で添削をさせて頂きたいと思っております。5年生バージョンになりますけども、このような素材というのが普通に出てくるので、力試しとして上手く活用して頂ければと思います。以上が資料の説明になります。

では、さっそく本題に入りたいと思います。まず今日の題名なんですけれども、桜陰の50年以上の記述問題と書いてありますけども、まぁ桜陰中というのは実数制限が基本的に1題だけですね。それ以外は、すべて実数制限なしの記述になります。ですから、だいたい目分量で少なくとも50字以上。実数制限がある記述というのは、だいたい250字以上の記述になります。

こちらのSAPIXオープン、四谷学校別テスト。一体何の事かということでお分かりにならない事もあると思うんですが、実際に大手塾で9月から学校別のテストがあります。桜陰ももちろんテストがあるんですけども、そのテストの数値というのは、実は普通に塾で受けているテストとはちょっと違います。桜陰志望者またはトップクラスの子だけが集まっていくので、偏差値50でも通常の偏差値60の意味合いが出てくる。その中で偏差値が今年、今教えている生徒でも、今回四谷の学校別テストで10番以内に入ったりだとか、SAPIXオープンでも偏差値64.5という事で30番以内に入って今視界良好な状況になっていますけれども、実際に私も大手の方で桜陰コースを担当してきていまして、桜陰の入試問題とか桜陰指導というのをずっとやってきたわけです。その中で、桜陰とは一体何かという事を自分なりに解釈したものを今日教えさせて頂く。そして、今日得た知識を是非ご家庭に持ち帰って頂いて、お子様の何か手がかり足がかりになって頂ければ思っておりますので、よろしくお願いいたします。

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では今日の国語の内容ですけれども、まず最初は入試問題がどんなレベルなのかを知って頂くという事になります。次に、じゃあその入試問題は桜陰がどういう力を求めているんだろうという事を、3つのジャンルに分けて説明していきます。さらに最後には、桜陰の実際の過去問を使って解説をして、こんな感じに解けばいいのかというのを分かって頂ければと思っております。

まず最初に入試問題の傾向なんですけども、題材・設問の内容は国立大学入試並み。大げさかも思われるかもしれないんですが、実は桜陰だけではないんですけども大げさではないんですね。例えば、こちらの題材レベルが下に書いてあるんですが、今年2011年。平成23年の桜陰の四角1番の文章は、東北大学の大学院の教授が一般向けに書かれた文章をそのまま持ってきているんです。また、平成18年度の桜陰の四角1番の美術に関する問題なんですが、こちらは東京大学の美術史の専門の名誉教授が書いた文章で、普通の大学入試でもよく使われる素材です。こちら実際に平成18年度の桜陰の問題で使われています。こちらは、実際には上智大学または神戸大学。国立ですけども、その大学の素材としても使われたレベル。まぁこういう風なかなり難易度の高い題材を小学生に解かせるというのが、桜陰中の特徴です。

2つ目としては、こちらの文ですね。これも簡単に言えば、かなり小学生にとっては、大人が解いてもかなり辛いものなんですけども、例えばこの要旨主題。だいたい国立大学の入試問題を見ていると、大体こういう事が、要旨は特に記述で出されますが、先ほど見ました桜陰の問題は250字の記述があると言いましたけども、それは主題を問う記述です。この主題というのは、そのだいたいは教育的なテーマ。何か学んだという形の、その前後の進路変更を踏まえて説明するものですが、これが毎年必ず出題されます。

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さらに意見作文。これは、開成などは結構、意見作文を出しているんですが、桜陰も過去2回出しています。その1つですけども、平成18年度の先ほどのタカシナさんの文章の中に出してあったんですけども、その文章の内容というのは簡単に言いますと、西洋というのは芸術的なものに関しては、個人が自ら考えて独創性を持って作っていくというような内容。日本はそれに対してお互い共同作業の中で芸術を作っていく、1つの作品を作っていくという内容なんですけども、そういう素材の対比関係を踏まえながら、個性信仰の行き詰まりとありますが、「それは現代社会の問題点と絡めてどういう事が実際に起きていますか?あなたが考えている事を説明しなさい。」という設問内容。これは、いわゆる個性信仰というのは、個性をそのまま尊重するという流れですね。そうすると、要はお互い協力したりとかいうのがないので、わがままに育つ。わがままに育つと、当然みんなと協力してとか、そういう部分が無くなるので、どういう実際にそれが現代社会の問題点として起きていますか?というのを、自分で考えて書かせる意見作文が平成18年に出ているんですね。このような形で、大体その、桜陰を目指して実際その過去問を解いた時に、この意見作文はほとんど皆さん白紙ですね。それは当然だと思います。このような難易度の高い文章が出てくる。

そしてここ最近、だいたい今年を含めて4年さかのぼって大体3回ぐらい出てくるような、ある意味定番化しつつある文章なんですが、これは実は長い2つの文章がくっ付けてどうのこうのではなくて、四角1番の題材の中に実は文章が2つあって、その共通点を説明させていくという問題なんです。これらの問題が3年間出ておりますので、これから桜陰を目指す方に関しては、こういう部分をしっかり意識したトレーニングも必要になってくると思います。

ではこれらを踏まえて、桜陰が求める力。この3つをご説明させて頂きます。まず長文読解力とか記述答案作成能力と言う部分。要するに記述力ですね。こちらの方は一般の塾の方でも散々言われる事ですので、大体分かるという感じだと思います。ただ目新しいのは、この設問読解力だと思います。

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では、これをそれぞれ簡単に説明していきます。まず長文読解力。これは、文章の要点・心情のポイントというのを、線を引きなさいとよく言われますよね。要はポイントを押さえる。何でそんな事をするかと言うと、先ほど言いましたように桜陰の文章題というのは非常に難しい素材が多いわけです。そうすると、いわゆる精読をしましょうとか、文章をしっかり100%理解しましょうという指導自体がナンセンスになっているんです。つまり、理解出来ないのが当たり前なんですね。ですから、文章の展開とかポイントをある程度、押さえればいいという所を意識して解かないと、逆にこれを丁寧に読みましょうとかやってると、実際に文章の長さが非常に長いんですね。例えば一般の入試ですと、6,000字で長文と言われています。だいたいこれぐらいが多いんですね。ところが桜陰の場合は、8,000~9,000字です。この文章を50分で読ませて、すべて記述なんですね。こういうレベルの高い問題を解かせていくわけですから、丁寧に読みましょう、とか音読を3回繰り返しましょう、という指導では中々難しいという状態になってきます。

次にこちらの文ですね。これも最近言われているものなんですけれども、長い文章ですから丁寧に読む事が事実上、不可能に近い。ましてや小学生ですから。ですから因果関係とか対比、論理構造を押さえて、ある程度文章の展開を読み取っていく。例えは対比に関しては、これは大学入試で結構有名だと思うんですが、西洋文化と日本文化を比較して対比させながら日本の文化の特徴を説明していくというパターンが一般的な文化論なんですけども、特に桜陰の場合、文化論が出てくれば、例えば芸術に関してもそうなんですが、だいたい日本の良さを見習っていこう、昔の日本の良さを取り戻していこう、という風潮の文章が多いですね。そうすると、「すごいなぁ、西洋は。それに比べて日本は…」みたいな、けなしの文章が一時流行りましたけれども、だいたいそういう文章は桜陰では出しません。だいたい日本の文化の良さを魅させる。例えば今年、平成23年の桜陰の問題ですと、大量生産した欧米の文化の話と、日本の江戸時代のいわゆる大量生産はしなくて少ない循環型エコ。要するに、そんなに大量生産しなくて、その僅かな物の中で楽しみを見出すという文化があったという事で、ちょうど震災がありましてですね、その中でよく社会のテーマで出てくると思われる自産自消。地元で産出して地元で消化しようと。まぁそういう流れが出てきていると思うんですけども、正にそういう素材を扱った文章が出てくる。ですから、言い換えればそれを意識して、日本でいった方が主題や要旨を掴みやすいという事になります。

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そして3つ目。社会の流れや公共。何か難しい言葉が並んでいますが、要はやはり、一般社会に対しての問題点を指摘するのが論説文なんですね。となると、当然社会の流れとか公共的なものの流れを押さえてそれを批判するわけですから、そういう部分を押さえてないとそもそも筆者の意見が掴みづらい。2つ目としては、これは物語の2つ目の部分なんですけども、もちろん素材や題材を選ぶのはあくまでも桜陰の学校の先生です。という事は、教育者です。だから当然、教育的なテーマのあるものを素材として選ぶので、それを読み取ってほしいための問題を作っていくわけです。ですから、そういう事を意識していかないと、なかなか逆に言えば主題・要旨は解けない素材が圧倒的に多くなってくるというのが、この長文なんです。ですから、まず長文読解力と言っても、いわゆる棒線部を読めばいいとか、設問を先に読めばいいという色々な方法論があるんですけれども、まず桜陰はそんな事をやっていたら時間がありませんので、設問を先に読むとかそんな小手先のテクニックよりも、まず王道として、しっかりと文章の構造のポイントを押さえて読み取っていく。その中で、いわゆる一般的な考え方、社会性とかそういうものの主題・要旨に絡めて考えていくというのが、桜陰の求める長文読解。言い換えれば、これはいわゆる難関校には絶対に必要な力と言い換えてもいいと思います。

次に設問読解力ですね。これ、聞いた事ございます?ないですよね、多分。いわゆる、よく設問文をよく読めと男の子のお子さんがよく言われると思うんですが、設問文をよく読めと言いますよね?でもだいたい、「じゃあ、よく読めってなに?」って聞かれると、「線を引け。」とか「何を聞いているか分からないだろ、それじゃ。」って言われるものが多いと思うんですが、実は難関校ほど設問文の条件が複雑で誘導してます。答えの方向に。ですので、実は設問文をしっかり読まないと絶対に答えられないようになっている。だから、よく読めというレベルではなく、設問が求めてる解答をしっかりと掴んで論理的に、と書いてありますが、簡単に言えば設問文で聞いてる事が、Aという内容であれば、当然手がかりは設問文と棒線部にあるわけですね。その手がかりを掴んで、じゃあAと似たような表現を探していくとか、そういう感じの論理性。いわゆる根拠探しと言われるものですけども、そういう事をしっかりと意識した上での設問読解力という事になります。

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そしていくつかあるんですけども、桜陰の特徴の最大の特徴というのは、棒線部が非常に正確な解釈を求めるということ。例えば実際にこういう問題があります。平成17年度の桜陰の物語の問題なんですが、棒線部がこういう棒線をしているんです。「何で」「もしかして」「まさか」。この今言ったところに棒線部を引っ張って、その時の気持ちを答えなさいという問題です。これはどういう風に答えればいいかと言いますと、まず内容はお母さんが死んでしまったんですね。お母さんが死んでしまって、弟が幼いので、それをなかなか実感出来ない。お兄ちゃんはお兄ちゃんとして弟に「お母さんは死んだんだよ。」という事を、絵本を通して伝えたいという内容なんです。弟はそれをすんなり受け入れて、「ぼく大丈夫。分かった。」と言ったんですね。そんな事を言われて、「え?」という反応は今の反応なんです。そして桜陰の面白い所は、これを3つに分けなければいけない。例えば、「何で?」というのは、「え?」という感じですね。疑問に思う。そして弟を説得しているんですけど、やっぱりお母さんに会いたいわけですよね。だから、もしかして僕もお母さんに会えるかもしれない、という期待なんです。ところがちょっと大人ですから、「そんな事まさかないよね…」という所の否定をする。この3つを気持ちの記述として書かせている。つまり桜陰中というのは、そこまで棒線部をしっかり読み取っていく事を求めているという事なんです。このように、棒線部は前後を見なさいとか、棒線部をしっかり読みなさい、っていうテクニック論じゃないかと言われるかもしれませんが、棒線部というのは必ず答えのヒントなんです。解答を作っていると分かると思うんですけれども、実際、入試問題とか私も大手塾でテスト作った事もありますので、やっぱり棒線部引っ張る時は必ず、解答と関連がないと、どうしても引っ張れないんですね。そういう意味で、実は棒線部というのは、意外と小学生はサラッと流して下さい。サラッと流すんですが、難解校を”ここを突いてくる”というのがギャップになって点数が取れないという事になりますから、是非この点は意識させて頂きたいと思います。

そして設問の繋がり。それは、問3で解いた問題が問4のヒントになっていくという繋がりです。これは、よく問題を解きながら、完全に言うと文章の理解を深めていって、最終的に終盤にいく誘導の1つでもあるんですね。これを桜陰は必ずやってきます。言い換えれば、麻布とかもやってくるんですね。最近は開成もそれに習ってやってきてるんですが、大体設問の繋がりを意識させるだけでも相当な問題の作成能力は問われますので、そういう意味で難関校の国語の先生はかなり力を入れて繋がりを意識させていると。言い換えれば、その答えを作っているのは設問を作った人ですから、それに気付いて欲しい。つまりヒントを投げかけているんですね。前の設問で。それがフックとなって、こっちの方に来て下さいという、そういうのが設問の繋がりというイメージ。こういうものをまず意識して解いていくのと、全然ただ行き当たりばったりで解いてるのでは、やはりそういう事か!という納得度が全然違ってきますから、当然その後の理解力・得点力にもかなり差が出てくるというのが、桜陰の問題の特徴です。

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そして今回のメインである記述ですけども、これを全部説明してしまうと、時間がいくらあっても足りない状態になりますので、ピックアップして説明させて頂きたいと思います。まずこの5つがありますけども、その中で一番目が行くのは哲学的な思考。何だ?と思いますよね。これは実際に出した問題なんです。これ、私が言ってもそんな大げさに…と思われてしまうかもしれないので、実際の応用の問題。平成16年に出された物語の方の問題なんですけれども、実際にその主題を問うんですが、学校の先生がいまして、その学校の先生が劇中の役割で大体風とか波とかあるじゃないですか。ああいうのを、それぞれの役でやっているわけですね。ところが、その風にはちゃんと名前を付けなさいと。風の役目でもちゃんと名前を付けた方がいいよ。例えば、北風ピュー太とか。何でそんな名前を付けさせるんですか?というのを問う問題があるんですが、これはまさに哲学なんですね。つまり、名前というのはその人の性質・特徴をそのまま表している。例えば先ほどの北風ピュー太というのは、転校生なので風のように去っていくという所と、すごく明るくたくましい感じなので、その特徴を表すために北風ピュー太。名前というのは、その人しか居ない固有名詞になるんです。ということは、かけがえのない存在という事になるわけです。この2つを解答として求めてくる。これが実際に出されるわけです。これは1年だけ出されたんじゃなくて、過去2回以上出されています。じゃあこういう思想って、子どもが普段勉強していて身に付きますか?身に付かないですね。やっぱり大人、講師というトレーナーが居てそれを教えてあげないと、こんな哲学的な思考というのはなかなか難しいし、ましてご家庭でというのはなかなか教えづらい部分ですね。

さらにこちらの方。先ほど言いました、2つ目の共通点を文章繋げていくという問題なんですけども、これ実はおかしな現象になりまして、実はどういう事かと言うと、先ほどの大量生産・大量商品というのはイギリスの産業革命が大きな原因となって、自然と決別する。ベーコンとか哲学者が言っていますけども、自然と決別する、自然を下に置く事によって、そこから離れていって物質を増やしていくという思考で、そういう風になっていた、という文章なんですね。日本は当然、自然と決別する事は当然出来ない。なぜならば、震災がありましたけども、やはり地震とかそういうものの自然の怖さも身近に感じつつ、自然の美しさも感じている。その中で自然と決別するという発想が、そもそも無いんです。だから、自然と共存していくっていう文章の対比を書いてるわけですが、その最後の部分で四角1番の問題がそういう筆者の意見の部分で、2番にその筆者が理想とする未来像を書いてある文章が短くあるんですね。この問題はつまり、筆者の考えが実際にその2番の文章で想像した未来像ですね。理想する未来像に繋がっていくのかを説明しなさいという問題です。

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言葉で説明するより実際、文章を見る方が早いと思いますけども、実はそれが面白いっていうのは三国出版。これは日能研のグループの原版と呼ばれる桜陰の解答とその問題の解答と、あとSAPIXが有名中学入試問題集で出しているその解答と、四谷大塚がホームページ上で出しているその解答が3つとも違うんです。これは大学入試だと、国立大学のものだと赤問と青問と黒問というのがあって、それぞれ解答が違うので色々な論争を巻き起こすんですけども、それと同じ状況が桜陰の入試問題でも起こっている。この3つが大手塾ですね。大手塾の解答でもこんなにバラけてしまう。ほとんど半分かすっているぐらいの内容で、ある塾の問題はほとんど結論が違っていたりします。実際私が教える時は、この3つを踏まえながら自分の解釈を説明しちゃいますけども、足らないと思っています。ですので、そういう意味で実は桜陰だけに限らないんですけども、それぞれの出版社でも解答が違っている、という現象が実際の中学入試でも起こっている。言い換えれば、小学生は尚更大変というのが現状です。ですから、恐らく合格ラインを、いわゆる一般的な6割7割と言われますが、桜陰の国語に関しては、やはりそこまで行かないんじゃないかな、という部分を予想はされます。

そして、文言を装ってというのは、ただ文脈に沿って自分で考える問題ではなくて、実際に物語で出てるんですね。例えば、棒線部で「筆者はこう思っている。こう思ってるんだけども、一般的にはこう思われる。」というような文章がありまして、「一般的にそれが幸せなのかもしれないね。私もそうかもしれない。だけどね…」その後を自分で想像して説明しなさいという問題が2回出てますけども、そういう風に流れを踏まえて、その主人公の心情を読み取る、という問題が出されるという意味で、こういう文言になったわけですね。そういう形で様々なタイプ、バラエティーに富んだ形で、実際に桜陰は問題を聞いてきて、それを記述で説明させていくというのが桜陰の最大の特徴であり、はっきり言ってこの難易度は日本一と言ってもいいと思います。これは大げさで言ってるわけではなく、例えば7という学校。開成や麻布と言われていますが、これらの国語の問題よりも一歩上になっています。例えば、私が実際に大手塾で指導していた時に、桜陰の志望者に12月の冬期講習で、開成や麻布の過去問を解かせたんですね。実際にそれがあります。すいすい解いて7割以上点を取っています。現状でそういう子が桜陰に行くんです。ですから、どれほど桜陰の国語というのは難易度が高いか、というのはお分かりになったと思います。実際に7の問題を8月に国語で解かせても、2日目の読解の方ですけども、「あぁ簡単じゃん、意外と。」と、ささっと解いてしまう。それほど特に首都圏では、難関校と呼ばれるところは、国語というものを重視した風潮が近年強まってきております。これは桜陰だけではなく、やはり開成も今回今年の合格者、国語の合格者の平均点が30点台ですね。85点満点で。過去最低です。これは全て自分の言葉で説明しなさいという記述があったのが大きな行方だと思いますが、このように非常に国語に重きを置く難関校が増えている。その最先端と言ってもいいんですが、これが桜陰という事です。

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では実際に、桜陰の過去問を解いていきたいと思うんですけども、ちょっとこちらの平成19年度の桜陰の問題を見て頂いてめくって頂けると、ちょうどこの3枚目の方に出ております。実際にはここに書いてある事を意識させながら、ちょっとやっていきたいと思いますが、問2の問題ですね。それで、長々とここで解説するのもあれですので、一応考え方の手順というのはこちらの別紙に書いてあります。赤の部分でラインを引いている所が重要で、特に解答の要素の部分の赤で書いてある部分というのはそのまま記述の要素になります。だからどういう手順で解くかというと、簡単に言葉でご説明させて頂きます。

まず波線部というのは、ちょうど3ページの一番上の段の真ん中よりちょっと前側ですね。「その時のウサギの顔はすごくきれいだった」とありますが、「なぜですか?なぜ僕はそのように見えたのか?」を考えてという問題です。この時にまず注目すべき所は、きれいだったという心情の手がかりとなる言葉です。まずここを押さえます。当然あとは誰に対する気持ちか。これ意外と小学生は、ストンと抜けます。ウサギに対してです。今回ちょっとウサギと出ていますけど、ウサギですね。次にやる事は、棒線部・波線部のあとにこういう表現があるのをお見つけなりましたでしょうか?「夕日がウサギの顔を照らして、毛の先がキラキラ光る。」と書いてあります。つまりこれは、輝いて見てるという事ですね。つまり、ウサギが何か輝いて見えているんだという事がここで分かると思います。

そして2つ目のセオリーとして、僕になぜそのように見えたのかを考えてと書いてある事からも分かるように、これは僕の特別な事情がウサギをそう見えさせているという事になりますので、僕がなぜそう思ったのか、僕は今までどうだったのかも捉えなければ、解答にはならないという事が分かるかと思います。

そして3つ目。これがその気持ちのきっかけとなったのは何だろうと考えていきます。それは、波線部の前のウサギのセリフです。この「僕は何もいらないんだ。例え名前だって持たなくても済むものは…」うんぬんかんぬんから、「僕は誰の物でもない。僕は僕の物なんだから。」という長セリフがあります。実はこれが、気持ちの手がかりとなるものです。名前とか家とか自分を縛りつけるのがない。それは確かに心の頼りとしてはない。不安だけどもそういう事ではなくて、そういうものがないという事は誰にも気を遣わなくていいし、僕だという偏見を持たれなくても済む。僕は本当の自分らしさを保つ事が出来る。だから自由でいいんだ、と言っているんです。これは痩せ我慢でもなく生き生きとしているという事は、本当に自分らしく自由であるからいいんだ、とウサギが言っていて、そのウサギを僕がきれいに見えているという事なんですね。

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あとは、なぜそんな縛られていないウサギをきれいに見えているんだろう、という所の僕の特別な事情。今までの事情というのはどこに書いてあるか。これは実は、下の段の始めの中略より前の部分のセリフに書いてあるんですね。これは、心情は切ないですけども色々と書いてありますが、要は僕というのは今まではお父さんお母さんに色々と気を遣って顔色を伺いながら自分を変えていたと。偽りな自分だったと。そういう卑怯な自分がいたと。そういう自分が居てウサギに出会って、ウサギが自分らしさを尊重して、自分らしくある事を非常に誇らしく思っている。僕は自分らしくあり得ない。お父さんお母さんの事を、気を遣いながら色々嘘の自分を言っている。そんな僕にとって、ウサギのその自由さ・生き生きとする姿は輝いて見えるし、眩しいからきれいに見えるという風に考えていく。実はこれは、最後のまとめ方の例で出ておりますけども、今のは実はパターンで答える事が出来るんですね。つまりもう一度整理しますと、文章全般の心情の変化のまとめ方になるわけですけども、3つポイントです。まずは、心情の手がかりを掴む言葉ですね。2つ目としては、その理由・きっかけとなる事柄を押さえる。3つ目としては、その出来事と心情の「なぜそうなったのか?」という部分を、今までのその主人公の様子などから読み取って3つ目の要素とする。

そしてまとめ方としては、今までこういう僕の事情があった。それがこういうきっかけ・理由・出来事があって、こういう風に感じて僕はこう思った、という形に当てはめて考えていくと、今の解答が出てくるという風な流れとなります。まぁ簡単なんですが、意外と小学生がやると難しいんですけども、こういう型があるわけですから、その型に当てはめて今言った設問の、ここの特に分解とか読解とか今やりましたね。それで今言った本当の自分らしさというのは、いわゆる哲学的な思想になるわけですから、そういうものをミックスさせて解答を作って250字で書いたという風な流れです。いかがでしょうか?これが桜陰の問題の特徴となります。以上で、桜陰の事についてのご説明は終わりました。

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最後に私の方から伝えていきたいのは、国語という科目はどうしても難しいんですね。なぜ難しいかと言いますと、一度やったらもう二度と出てこないのが国語です。ですから、文章内容が分かったからと言って必ずしも国語の読解力には結びつかないんです。なぜならば、二度と出てこないから。じゃあ、何を勉強すれば国語の得点力になるかと言うと、勿論そういうノウハウなどを組めて考え方を教えられる講師と、あとはそれを信じてひたすら続けていく努力と。そして、テストの時にそれを意識して解いていくというアウトプット。いわゆる、その学んだ考え方を応用するという、そういう意識を持ってトレーニングしていく。これしか国語は得点力が無いんですが、やはりひたすら問題を解けば何とかなる、とかそういう考え方は、実は国語には当てはまらない。どういう風に文章を読んでどういう風な設問を考えて、ある程度思考パターンに当てはめて、どういう解答を出していくか、というトレーニングを続けてこそ、初めて国語というのは成果が出るという事なんです。ですから、それだけ長く時間がかかるとよく国語の講師が言うんですが、本当にその通りなんですね。ですからまずは、桜蔭の問題が難しいな、と今日印象を受けた方が多いと思うんですが、とは言ってもまだ時間はありますよね、と。今の受験生と比べたら1年以上時間があるわけですから、1年以上やれば小学生は変わっていきます。だからこのトレーニングを続ける事が重要なんですね。そういう事がとても重要です。

あと今言ったように、これは国立大学の今年の2012年の傾向を見ていても分かるんですが、哲学的なそういう文章が増えてきていると。実は大学入試でも実際今そういう流れになっています。それがそのままに今、中学入試に起きてきますし、実際の大学入試で養老孟司さんとか外山さんとか、内田樹さんとか鷲田さん。大阪大学の学長をやっていましたが8月に辞めましたけども、そういう人々の文章を今、大学入試で当たり前のように出てきていますが、これはそのまま中学入試に降りてきています。こういう文章に立ち向かうためには、やはり今言ったように、棒線部をしっかり読みましょうとかそんな小手先ではまったく意味がないし、やはり教育者がその素材を選ぶには理由があるんですよ。読み取ってほしいテーマがある。やっぱりそういうものを踏まえて国語の指導をしていかないと、こういう特に難関校で主題・要旨を問う学校というのはなかなか問題が解けないという風になります。

ですから、まずそういう事を意識しながらぜひ地道に努力を続けて頂いて、今、私も6年生でちょっとてんてこまいですけれども、来年度そういう所を目指されるという事であれば早めに準備をして、塾の復習をしただけでは、やっぱり国語はどうしてもなかなか上手くいかないのが現実です。今言ったような教科の特徴がありますので、早めに少しづつでも自分なりに準備をして頂ければと思います。今日はその手がかりとなるなと思います。あともう少し記述の具体的な方法に関しては、次回以降のセミナーでまた具体論としてお話をさせて頂ければと思っておりますので、もしお時間ありましたらご参加頂ければと思います。どうも今日はご清聴ありがとうございました。

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