『開成中に合格させるノウハウ一挙大公開!』セミナー(テキスト版) | 個別指導塾なら受験Dr.(受験ドクター)|中学受験専門プロ講師による個別指導塾 通塾・オンライン指導が選べる

『開成中に合格させるノウハウ一挙大公開!』セミナー(テキスト版)

【挨拶】

それでは定刻になりましたのでセミナーの方を始めさせていただきます。
私、受験ドクターで塾長をしております、東と申します。
本日はお忙しい中、誠にありがとうございます。

本日は受験ドクター主催「開成中に合格させる」セミナーという形で、実はちょうど1週間前の月曜日にですね、同じタイトルで桜蔭中の方をやらせていただきました。

今回のセミナーはですね、開成セミナー第1弾ということでまずは開成中の入試問題の傾向とか、レベルといった全体的なお話、さらに1年ごとの傾向やレベルを見ていてもしょうがありませんので5年、10年、区間としてみたときに、そもそもレベルや傾向は変わっても開成が求める力は変わらない部分があるのではないかという話で、開成が求める力についてお話し、また本日はですね、6年生ではなく5年生ないし4年生の親御さん対象になりますので、今の視点から始められる勉強もしくは、日々の勉強において開成を意識するもしくは勉強において留意する点というのがあるのかないのか、そういったところを中心のお話させていただきたいと思います。

【国語】

こんにちは私は受験ドクターの国語の講師をしております。
宜しくお願い致します。

私からご説明させて頂くのはこちらの国語の方ですね、記述問題最新攻略という冊子、あとはいくつかの資料がございます。
こちらを使う時にですね、色々ご説明させて頂きたいと思っておりますので、そちらの資料をぜひ参考にしていただいて、色々ご説明させて頂きたいと思っておりますので、そちらの資料是非参考にしていただければと思います。

まず1つ目はこちらのブルーの冊子になっております。
ちょっと私のは白黒なんですけれども、もうひとつ目が開成の問題のコピーになります。

そしてもうひとつ目が文章の読み方を物語文と説明的文章に分けて、これ、実際に私がドクターで、ですね、私の生徒に対して配布したものの一部になります。

そして最後に記述の問題はこちらですね。
こちらはカラーになっていると思うんですけれども、記述問題の解き方の例ということで、どういう風に解けばいいのかというのをご説明をしたもの…これも一部なんですけれども、冊子にして配っております。

これらの資料を参考に今日は国語の話を進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

ではですね、こちらを見て頂きたいんですけども、開成の50字記述問題と言っておりますけれども、開成はご存じのとおり平成13年あたりからですね、いきなり記述問題になります。

その前までは、多分もしかしたら教育書の古い問題とか見ていらっしゃる方もいると思うんですが、開成というのは昔はいわゆる選択問題というのが中心だった学校ですところが、平成13年あたりからいきなり記述になりまして、そこから今、実績を1番多く出している大手塾なんですけれども、そこの実績を持ってきた現状となっています。
当然、記述対策はしていかなければ開成というのは、なかなか合格は出来ないというレベルになってきています。

じゃあその開成の記述…記述というけど一体何だろう、長文というのはいったいどのくらいのレベルなんだろう、というのをまず最初に説明させて頂きたいと思っております。

こちらの偏差値70という所なんですけども、実際に今、私が教えている開成志望の生徒で偏差値70を取った子がいますので、そういう形を含めて教えさせて頂ければと思っております。

まず、今日お話しする内容は、この3つになります。
表紙にあります2ページ目ですね、目次のところを見ていただきたいのですけれども、今日は3つ大きな内容として挙げていきます。

まず、開成の入試問題、これは題材の傾向、そして設問の傾向、この2つにわけて説明させていただきたいと思っております。

次に、このような入試問題を出すということは、当然、求めているものがあるわけですけれども、じゃあどういう力を一体開成は求めているのか、これを3つの分野にわけて説明していきます。

そして、これを踏まえた上で、5年の今の時期からやるべきことは一体何か…。
本当はこれでですね、丁寧に教えるべきところもあるのですが、なかなか時間の都合上、これをこと細かくということは出来ませんので、これは次回の開成に向けたセミナーにちょっと取っておきまして、5年の部分にやること、主にこちらの部分ですね。
こちらの部分をしっかりと説明して、今日は終わりたいと思っております。

では、3枚目をめくっていただいてもよろしいでしょうか。
題材の傾向という部分ですね。

こちら、いきなり東京大学の名前が出ておりますけども、実はですね、題材を見ていくにあたって、色んなジャンルの文章が出るというのは開成特有のことなんですけれども、実はその中でも傾向というのは当然あるんです。

どういうことかというと、大手予備校、だいたいそのセンター試験から、色々、東大の入試問題傾向で分析していく、毎年毎年、分析していくわけですけども、その中で、やはり東大の四角1番の現代文の文章の傾向というのは、非常にここが重要なんですけれども、2つにわけられるということになります。

1つは、人間の行為そのもの、か、もしくはその人間の営みについて、という部分。この部分を素材とした文章を出す。

もう1つは、精神性について色々考察されていたもの、というものを2種類、だいたい出す傾向がある、というのが大手予備校の分析でもあります。

ということは、その人間の行為、営みについては、実はこの下の段を見ていただくんですが、ここの部分、つまり人間の書く行為ですね、行為自体はこういうものになります。

いわゆる営みとか、そういう部分はこういう素材…。
つまり、題材としては文化論、歴史論、または言葉とかですね。
あとは、芸術。
こういうものを素材の1つとして…。

そして精神性、これは最近、流行りと言いますか国立大学の方では哲学的文章が非常に今、流行っております。
実際に、開成の平成23年の四角1番の文章は、「虐待のうさぎ」という物語文でしたが、実はこれは2010年のセンター模試の題材になっています。

つまり、国立大学で素材として使われるような、そういうものというのが、もう普通に中学入試でも模試で使われているというのが現状になります。
結果として、中学入試は小学生が解くレベルを遥かに超えたレベル、つまり、私自身も今こういう上位校を志望している6年生が、今追い込みを使っていますが、実際もう中学受験の素材はもう使っていません。

だいたい高校入試の、つまり、難関校・国立高校の実際の入試問題などを使って指導しているというのが現状です。
つまり、それ程のものを踏まえて、つまり、大学入試というのを踏まえながら、その傾向というものを照らし合わせて行くと、開成の傾向というのが、それに最たるものとしては東大というものが出てくるのかなと思っております。

じゃあ精神性、文化、歴史、(芸術)、というのは、一体どういう形で出てるかというと、平成23年、つまり今年の2月の1日に行われた、開成の国語の問題、四角1番先ほど言った「虐待のうさぎ」という素材でしたけれども、これはですね、どういう内容かと言いますと、お母さんがいるんですが、そのお母さんの娘である友だちが、どうもクラスで孤立している。
多分いじめがあると思います。
その孤立した友だちと自分の娘が付き合っていることに対しては、お母さんとして心配。自分の娘もそういう目に合うのではないか。
そういうことの不安、でも本当はいじめは悪いことだし、孤立している人と友だちになることは、いいことじゃないですか。

その、いいことなんだけども、大人の価値観としてはそうも言っていられない事情、グレーの部分があるわけですね。
要するに人間というのは、善と悪で分かれるのは、それはいいことなんだけれども、やはり人間社会の中にはグレーの部分というのは、多分にあるわけです。
そういう大人側の事情と言いますか、そういう親側の気持ちと、純粋な娘、小学生の娘は純粋ですから、善は善とハッキリ従えてるんですよね。

そういう意味ではお母さんのそういう部分に対して、嫌悪感というか、反発を抱いているという、その2つの親の気持ちと娘の気持ちというところの、考察の部分を描いている文章をそのままカットして出しているわけですが、まさにこれが精神性になるわけです。

そして、四角2番の文章は、これは著作権の関係でカットした部分もあるんですけれども、これもですね、過疎化を言葉を使って説明している問題で、過疎化っていうのは、今現在すごく問題として出ているわけですね。
村おこしとかいうのも、まさに過疎化を防ぐためのもの。

ところが、この過疎化というのは、実は人類史上から見ると、近代以降に出てきた価値観じゃないのかな、という文章ですね。
それまでの長い人類史上の歴史から見れば、過疎化というのは、近代以降のごく一部の部分であると、つまり、人類史上からすれば過疎化が当たり前だった。
だから、その当たり前の状態の中で、新しい価値観を考えるべきなんじゃないか、みたいな話になっているわけです。

これも、その背景には、おそらくこの歴史観という部分も入ってくる。
もちろんそれだけの話ではなく、城めぐりを色々してとか、そういう話もこう入ってくるわけですけれども、まさにそういう意味では、小学生が普通に読んでいたならば、ん?とクエスチョンマークが何個も並んでしまうようなそういう素材が、普通に中学入試で出てきて、それも記述問題で聞いてくるというのがポイントになります。

では、この素材に対してじゃあ設問はどうか、ということなのですけれども、ここに4つ主に挙げました。
ここを見ていただきたいんですけれども、ここの3つ、実は、普通に国立大学の設問形式とほぼ同じです。
特に意見作文の部分は、ここ開成では、今年は出ませんでしたけれども、去年までは非常に毎年のように出てきたものなんです。

意見作文というのは、確かに簡単そうに思われる、自分の意見を書けばいいじゃないか、と思うのですが、実は小学生がまず自分の意見を述べるということ自体が難しいわけです。

そしてもう1つは、意見作文といっても、勝手に述べちゃいけないわけですね。
筆者が言いたいことがあって、その言いたいことに対して自分の意見を述べるから、筆者の言いたいことを、まず掴まないと意見なんか述べる資格がないわけです。
そこまでを求めてくるということになります。

そして、この2番目のところ、自分の言葉で説明させる記述問題というのが、開成では毎年のように出るわけではないんですね。

たとえば今年は四角2番で出しましたが、平成18年のテストとか、ああいう文章とかも、自分の言葉で出てきましたが、驚くべきところは、自分の言葉で説明される、もっとわかりやすく説明しなさいという言葉を、四角2番でもう連発のように記述問題で出したんですが、その結果かどうかは分かりませんけども、実は今年の開成の合格者平均、いわゆる国語の合格者平均は過去最低になってます。

32.6という数字になります。
これは85満点なんですけれども、なんでこれが過去最低かというと、去年までは、つまり平成22年までは、開成の国語の合格者平均というのは40台後半から50台前半なんです。

ところが、今年はかなり下がった。
これは非常に、ある意味ショックを受けたことですね。
ですから、たぶん今、大手局では、国語の記述というのを非常に全面に出して指導している。
四谷とか…SAPIXは通らなそうなんですけれども、そういうところが非常に全面に出して指導していると思うんですが、正にそういうところが影響しているのではないかと。

言い換えれば、自分の言葉で説明するということは、自分の言葉を持っていなきゃいけないわけですから、文中の言葉をあんまり使えないわけですので、やはり語彙力とか、本当は記述をちゃんと書ける力とか、そういうものが求められる。

それで平均点がそれだけ低いということは、言い換えれば、そういう記述問題をしっかりと中々出来ていない状態での受験だったのかな…という気が致します。

そして、こちらの部分。
あえてここは触れませんでしたけども、ここの部分は今更何を言っているんだというところがあると思うんですけれども、実は、設問文の内容を今の小学生はいい加減に読みます。

問題をサーッと読んで問題をサクッと解く。
国語ってどっかにそういう傾向が出ているのですが、それではまず難関校は合格出来ません。
じゃあ条件の複雑さというのは一体どれぐらいあるのか…なんか算数っぽいなと言われるかもしれませんけれども、実はこれでちょっと実際にどれくらい難しいのかというのを平成16年のこちらのB5番の方ですね、こちらをちょっと出していただいてもよろしいでしょうか。

これは下の段はもちろん私が書いたものです。
これは文章内容は後で見ていただければと思うのですが、問3を見ていただきたいんですけれども、こちらのB5版の方の問3の問題です。

そちらの問題なんですけれども、問3の部分、ちょっと読んでもらってもよろしいですかね。ちょっと今から2分間で。
特にしるしを付けたところを注意深く読んでいただけるとありがたいですね。

結構大人が読んでもですね、最初の1、2行はですね、何を言っているんだろう?というところがあると思うですね。

これ結局何が言いたいかというと、これを説明したときに、私がよく説明する…下の段を見ていただくと整理したものがあります。要はですね、この問題文の要件を整理しますと、第1段落の内容というは蚊の話だと。だけれども、そこから話が脱線するわけですね。

その脱線するのが、第2段落、第3段落なんですよと。次にまた蚊の話をしておりますから、そうする時にこういう方面の問題というのは、その脱線の部分なんですよ、というのがまずひとつ。こういう風にまず整理しましょうということが大事ですね。

2つ目としては、その段落を全部繋げていかないとだめですよ、という状況なんです。つまり第1段落で蚊の話はこうだと述べたら、そのこうだという部分を繋げて第2段落でまたその違った話題を述べていかなきゃいけませんよ。話題は変えられる、言葉で繋げてくださいね、っていう部分。

3つ目としては、文末表現はそういう形でそろえてくださいねというのが3つ目。これをまず読み取って、整理してから問題を解かないと、とてもじゃないけど解けない。これは実際に開成16年度の…開成の平成16年度の出題された問題の一部。いかがでしょうか。

これを小学6年生がまず解かなきゃいけない。ちなみにこの年の開成の合格者平均というのが発表になっていますが、40点。ちょうど半分。こういう問題の複雑さというのも非常に影響している。この年は実は文章題1題だけです。それはもうズラーッと並ぶでしょう。昔は、今は2題構成が当たり前ですが、この16年度あたりというのは、文章題がまだ1題の年もあったということですね。このような形で実は設問の複雑さというのを述べている。

では、この傾向を踏まえた後にですね、この求める力。この中でちょっとこちら見ていただきたいのですが。こことかここは先ほども何度も言ってるし、よく聞く話ですよね、長い文章出るのは。長い文章ってだいたいどのくらいかっていうと、6000字から8000字程度と思っていいと思います。

普通の中学入試の長文と言われるのは、1題3000字から4000字ですので、それが2題構成と考えるとおそらく6000字が長文と言われるかなと。難関校の文章ほど、だいたいこの6000字、7000字は普通に超えていると。そして、女子の学校で習うところですと、9000字程度、桜蔭ですけれども、ふつうに超えてきます。

長文は、まず何だろうこれ?と思うことも多々あると思うので、実は今回はですね、もちろん、こちらも説明していくんですが、ここをちょっと注目していただきたいですね。今、この調子ですと、その次のページをめくっていただけると、長文読解力、そして設問読解力、この2種類に分けて説明していきます。こちらの部分ですね、要は線を引くポイントということで、文章を読むときに、当然、長い文章ですから何度も読み返しが出来ない、もうこれは当然です。どんなに文章を早く読める子でも、さずがに2回3回読むのは厳しい。ですから、まずは1回最初の文章を読むときに丁寧に読むというのが、そもそも難しいわけです。何故ならば、題材自体が今言ったように非常に難しい文章が出てきます。

ですから、まずはポイントを押さえて、よく線を引いて読みなさいというのが正直ね。情報分析力というのは、つまり6000字くらいだったら文字情報を整理して、そこから言葉の意味をかいつまみながら、文章の流れを押さえておくという意味での情報分析力。

そして、もう1つは、言いたいことを捉えるためには、文章構造を理解していかなければいけない。例えば、対比関係。西洋と東洋の文化、日本の文化の対比関係を押さえながら、と言われる手法ですね。まずそういうことを意識したトレーニングをしていく、ということです。

これらについては、後で読み方、先ほど言いました設問文と物語文の読み方にも記載されていますので、是非それをご参考にしていただければと思います。問題はこちらです。

設問・読解、これについてここの部分、ここの部分は先ほど平成16年度の開成の問題でご説明させていただいたと。じゃあこことここは一体どういうことなんだろうと。たぶんご存知の方も多いと思うんですが、上位校になりますと、やはり棒線部というのは当然意味がありますから、それを棒線自体が長いんですね。ですので、その部分をしっかりと解釈しなきゃいけない。

そして設問同士が、繋がっていくんだということも意識して解かなきゃいけないということがあります。では、これを実際に過去問を使ってご説明させていただきたいのですが、平成22年のこちらの開成の問題をちょっと用意していただければと思います。この平成22年の四角1番の文章ですが、これを今読む時間は当然ございませんので、あらかじめ印を付けさせていただきました。

これは実は太宰治の文章です。平成22と、Hの22と書いてあるところですね。このやつですけれども、この部分で、問7の問題を見てください。Aの2のところを見ていただくと、分かりやすいんですが、その問7でも赤で○付けて色々ごちゃごちゃ書いておりますので、そちらを見ていただきたいのですけれども、こちらの方ですね、ボクとこの校長先生とは同じ人間でありながら、どうして給料が違うのか。
これ太宰さんのなので、戦争の時の話です。もちろんこれは、棒線部が言いたいことは、ボクとこの校長、ボクというのは主人公ではなく、普通の先生です。先生と校長は同じ先生…人間でありながら、なぜ給料が違うんだということは当然、違うんだよ校長先生はワンランク上の人間だと。戦争中だからですかね。そういうことを言わせたいというのがカッコ1なんです。

それを棒線部の中で読み取った上で、カッコ2、彼はそう答えさせることで、つまり、普通の先生がそうボクに答えさせることで、もし戦争が起こったなら、という私のつづり方、簡単にいうと作文ですね。作文の内容に対して、何と言いたかったのか説明しなさいという。これは今考える時間を与える…なかなか時間がないので、まずですね、もし戦争が起こったなら、という、このじゃあ私のつづり方はどこに出ているかというと、ちょっと1枚戻ってもらっていいですか。

A1の方ですね、そこのところに、1番という印が付いてるところがあると思います。そこのところの前後を読むと、こう書いてあります。もし戦争が起こったなら、という題を与えられて、地震雷家事親父、これ昔からよく言いますね。それ以上に怖い戦争が起こったなら、まず山の中へ逃げ込もう。逃げるついでに、先生をも誘おう。先生も人間、ボクも人間、戦が怖いのは同じであろうと書いた。

ここに反発しているわけですね、彼が。だから当然、校長先生は違う人間、つまり怖がるわけないじゃん戦争なんて、っていうことを答えさせたい。これを小学生が太宰さんのこの難しい文章を読んで、この設問通りに解答を書くというのを求める。

これが実際に平成22年に出されている。つまり、ここの書いてある通りですね、棒線部をしっかりと読み取らないと今の解答にそもそもたどり着かない。そして、問7のカッコ1カッコ2というのは連動している。実はこれだけではなくて、問い自体が繋がっている場合があります。例えば、問6でやった問題が、問7で繋がる。これは今の例ではないんですけれども、そういう形の問題も出てきております。

そういう意味では、設問をいい加減に読むとか、サーッと読むということは、開成では禁止、やってはいけないことなんです。そういう力でも今からでも意識することが出来ると思いますので、例えば普段塾のテストなどでも、ああこれはこういう意味だったんだ、なーんだ僕こういう風に解釈しちゃった、っていう言葉を聞くお子様は、ぜひそういうところを注意深くして、そういうことをやっちゃいけないんだよと、そうしないと入試問題解けないんだよそもそも、ということを言っていただけると、非常にお子様にとっても今後の学習に役に立つのではないかと思っております。
では、このメインとなる記述ですね、こちらの方なんですけれども、こちらは全部説明したいのが山々なのですが、なかなか時間の都合もございますので、特にメインとなるところをご説明します。

まず、こちらの方ですね、たぶんなかなか分かりづらいだろうという2つ目のところ。文章・容姿、道徳的な思考を読み取って説明できる。これは何のことをいうかということで、実際に私が口で言うよりも入試問題を使って説明した方がよいと思うので。今度は平成の21年度を見てください。Hの21と書いてある問題ですね。こちらの方もあらかじめ用意仕込んでありまして、四角2番。Aの3というところを見ていただきたいと思います。3枚目ですね。Aの3。

では、そちらの問1の問題を見ていただきたいんですけれども、次のその文章のAの4を見てください。そのAの4を見ていくと、問1のところにおそらく問題があると思いますけど、四角2番の問1の問題ですね。Aの5ですね。問1ですので、大丈夫でしょうか…。

問1のところにありますけれども、要は自分の言葉で、まさにその平成の21年の四角1番の問4ですかね。すいません、ちょっとごちゃごちゃで…。平成21年の四角1番のAの3
問4ですね、これを見ていただきたいと思います。すいません、後でもちょろちょろっと書いてあるんですけれども、ちょっとそれを読んでもらってもいいですかね。ちょっと手書きで書いたんで、ちょっと読みにくい部分があるかもしれませんが…。文章を読まなくても大体それでわかると思います。

これはですね、先ほどの問題にもありました通り、勇気というものを扱っているんですね。どういう文章かといいますと、子供がですね、あるその主人公である小学生が、なんかこう喧嘩をして友達を助けようと思って、勇気を出したかったんだけど、なかなか怖くて出せなかったみたいなことを、悔いながらお婆ちゃんにこう相談するわけですね。

そうした時にお婆ちゃんが言った言葉は、まあそう勇気というのはね、確かにそういう風に使うべきなんだけども、失敗してもまた使う時がある。だから溜めときって言ったんですね。つまり勇気の貯金箱っていう名前なのですけれども。

つまり勇気というものは、1回使い損ねたとしても、それを使うための心構えをずっと作っていけば減るものでもないし、必ずまた使う時があるからその時に使えばいいんだよ、というところから、このお婆ちゃんの言ったセリフをふまえて、人間の行いに対してどういうことが言えるかという問題が、今の読んでいただいた問題なんです。

当然そこは1回失敗していますから、人間は過ち、失敗するものだと。だけれども、もう1回立ち直ることも出来るんだよ、弱いものだから完璧…本当はそこで勇気を使うべきだけれども、そういう弱い存在であったとしても、それはそれとして、必ずもう1回立ち直る機会があるから、そういうことを人間としては心がけていくべきなんだよ、っていうことを解答として求めている。

これはよく聞く道徳の授業の一部ですよね。こういうような解答を求めてくる。ですから、このための準備をしなきゃいけないというのが5年生ということになります。

では、次の形にめくっていただきますが、じゃあこういうことをふまえての効果的な記述指導というのが、このブルーのページの次のページに出ております。ちょっとこちら見ていただくと、出ておりますけれども、要旨説明のまとめ方、、棒線部分解、一般的なこういうことを、とにかく記述のトレーニングの中に入れていかないとだめなんですよ、ということです。

その中の一部として、記述の問題がありまして、そちらの方ですね、お家に帰っていただけると、ああそういうことか!とわかっていただけるような内容になりますが、要旨記述の考え方のパターンをそこで書いてあります。

要は、テーマを押さえなきゃいけませんよね、と。テーマを押さえてそのテーマに対して言いたいことを捉えていくわけですから、当然言いたいことをまずチェックしなきゃいけません。じゃあどういうところに言いたいところが出てくるんですか、というのが、その下に書いてあるものです。

そして最終的に言いたいことは後ろの部分に載ることが多いですから、それを繋げていく。その上で、ここの部分がやっぱり文章に書かれていないことの部分を読み取っていかなきゃいけないわけですから、それはコーチというものが教えていかなきゃいけないんだよ、ということなんです。

こういうトレーニングを逆にしていかないと、なかなか開成というのは問題が解けるレベルになっていかないという。だから、今のうちにするべきこと。最後になりましたけれども、ちょっとお時間が押しておりますので、簡単にまとめさせていただきます。

まず一番最後のページをめくっていただけると、5年生の今からできること、まずこれを知りたいと思うのですが、まずこちらの部分ですね。上の部分、対比、具体と抽象、序論・本論・結論、これは説明的文章です。
設定、心情表現、起承転結、これは物語の方ですね。これは、こういう風なのは、だいたい分かると思うんです。具体と抽象、これ実は小学生分かっていませんので、教え方のコツとしては、具体というのは目に見える事実を指すもの。抽象というのは、その事実をもとに言葉でまとめたもの、ということになります。

例えば、文房具というのは、言葉でまとめたものですが、文房具自体は売ってませんよ。だけど、鉛筆とか消しゴムは目に見えるものが言っている。この鉛筆や消しゴムにあたるものが具体であると。それを文房具とまとめたものが抽象である、ということは、筆者の考えや思うことなどは、抽象になりますから、目に見えない事実として書かれている部分、そして具体というのは例。

小学生というのは、すべての世界が具体的な物語で生きています。つまり、抽象というのはなかなか書けない。ですので、具体例に惹かれてしまうわけです。分かりやすいですから。だからここに共感して、説明文、ここに線を引いてしまったらまずいので、まずここを分けていくんだよということ。そして重要なのが、この抽象な部分のところの表現をしっかりチェックすべきなんだよっていうこと。

こういうことが、説明的文章では絶対に必要になってきます。そのうえで、接続指示語とか色々出てくるわけですね。そして、物語では心情表現、これは直接説明されている部分
と、間接的に証言されている部分、2つあります。

間接的というのは、やはり動作・セリフ・表情です。人間というのは感情をすぐ嬉しかったと言わないですよね。やっぱり物語はセリフにめいたり、そういう表情に出したりとか、動作に表したり…。例えばこうやって急ぐ、というのをなんで急いでいるの、ああもう時間がないから、じゃあ気持ちは焦っているという風に読み取るわけですから、そういう動作とかいうものの、間接的な感じで心情を読み取るということを意識して解かなきゃいけない。

ということと、特に難関校、開成などの学校は設定を非常に難しくしています。例えば先ほどの太宰さんは戦争の話が背景にありますから、そういう設定、知識が必要なわけですね。

例えば、平成23年の四角1番であれば、今の言ったような、最初のお母さんはこういう気持ちだった、っていうような約束事、こういうことがありましたということ、前書きをわざわざ書いてくれている。つまり、その設定を押さえられない限り、この文章はしっかり読み取れませんよということです、言い換えれば。
そういう設定を押さえていくのがとても重要になります。そして、今のうち、もしできれば難関校の素材に慣れておくこと。ここに開成の例題を出しておきましたが、だいたい開成を受けるかというのは、併願校的なものとしては、こういうところがあげられる場合がありますので、例えば、渋幕ですと、やはり哲学的な文章が出やすかったりとか、そういうものがありますので、ぜひこれをちょっと参考にしてみるといいと思います。

そして、この細部の記述、最後になりましたけれども、ここの部分は先ほどの要旨記述と言っても、いきなり要旨をガンガンやるわけではなくて、やはりそれを支える柱は細部の記述問題ですね。やはり、先ほど言いました通り、設問は繋がっていることを考えれば、問5で解いた問題が問6の要旨を問う問題のヒントになる可能性が高いわけです。

だからそういう細部の記述問題の精度を上げていく。じゃあどうやればいいのかということで、先ほどお渡しした細部の心情記述という例がありますので、それを見ていただくとわかりやすくなっていると思います。

ちょっとお時間が押してしまいましたので、ちょっと最後の部分は駆け足になりましたが、まずは今の時点で出来ることというのは、ここにも書いてありますように、まずはその長文を論理的に読むクセをつけておくこと、2つ目としては難関校の入試のレベルをまずは先に知っておくこと。こういう文章が出やすいんだよ、こういうレベルの問題が出てくるんだよ、ということを知っておくこと。

そして3つ目としては、記述というものを意識してトレーニングしておくこと。これは当然塾でもやっていると思うんですが、塾ですとどうしても模範解答との照合だけで終わってしまっていて、解説はこうだよみたいなかたちで、一方的に終わっている部分もあると思いますので、ぜひお家では模範解答の照合だけではなく、じゃあそれはどこから読み取れるんだろう、組み立て方はどうすればいいんだろうというところを、いわゆる推考という作業ですね。こういうことを意識してトレーニングすると、何となくなんかこんな感じ、みたいな記述問題から、あっ、こういう風に考えて解答を作っていけばいいんだな、という立体的なものになってくるのではないかと。

その上で、それが出来るようになった上で、初めて、要旨・全体というのが出てくると思いますので。まずそういうことを意識してやっていくと、十分今からでも間に合うのではないかと。この後の…この後に続くやつですね、実際に開成の入試でそういうトレーニングする具体的ないろんな記述指導に関しては、次回いつかは…3月か4月かは分かりませんけれども、その開成向けのセミナーで具体的に説明していきたいと思っております。どうもご清聴ありがとうございました。

【挨拶】

では、早速後半の算数の方の話に入りたいと思います。で、また算数の最後に質問等ございましたらということで、お声掛けさせていただきまして、その後、無料個別相談会の方をご希望の方、わたくし東の方までお声掛けいただければと思います。では、算数の三宅講師お願いいたします。

【算数】

失礼いたします。ただいまご紹介預かりました、算数科の三宅と申します。本日はよろしくお願いいたします。

よろしいでしょうか。では早速始めていきたいなぁと思うんですが、その前に、まず皆様と今お話しする前にお約束しておきたいこと、となります。皆様はやっぱりご自身が勉強していただく、色んな方法を知っていただく、っていうこと、とても大事かなと思います。

ただ、実際に勉強するのはお子様、となってきますので、お父様お母様もね、まず気楽に笑顔の方を作ってもらってお話の方を聞いてもらえればなぁと思います。適宜、お茶の方とかも飲んでいただいて、本当にリラックスして聞いていただければなぁと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは早速お話の方を始めていければと思います。5年生だからこそ始めたい、今日から実践、開成への道というテーマで早速お話の方を始めていければなぁと思います。2ページ目、目次の方をご覧いただければと思います。本日なんですが、開成の算数ってどんな算数なんだろう、5年生のうちからどんなことが出来るんだろう、ということから、じゃあ今から実践してほしい習慣、そしてこういう風にお父様お母様に見ていただければ、より合格に近づいてくるというような流れで、お話の方を進めていければなぁと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

では早速、本題の方に入っていきたいと思います。次のページ、開成の算数ってどんな算数?というような資料の方、ご覧いただければなぁと思います。

さて、偏差値表をご覧いただきますと、色んな学校が上の方に書いてあるかと思います。もちろん開成もそう、麻布だったり、慶應の普通部だったり、駒東だったり、女子だったら桜蔭だったり女子学院だったり…。じゃあ難関校っていうのは、単純に偏差値が上にある。じゃあ同じような力が求められるのか、っていうと決してそうではない、ということを、この段階から皆さんにも知っておいていただければなぁと思うんですね。

1つ目として挙げさせてもらいたいのが、こちら発想力という方になります。添付資料1番目の方、ご覧いただければと思います。平成15年の麻布、男子御三家の一角ですね、こちらの出題となるのですが、四角4番の方をご覧いただければと思います。30秒程度お読みいただいて、お父様お母様にもどんな問題であろうと見ていただければと思うんですね。

いかがでしょうか。こういう問題って見たことないですよね。実際に今後、受験勉強していくにあたっても、なに算として出てくるところではない。その場での空間の把握能力であったり、発想力であったり、そういうものが問われる出題。これが例えば麻布であったり栄光であったり、2日栄光学園の方、併願されようと考えている方も多いかと思います。

発想力が問われてくるような学校、ここを重視する学校っていうのが1つあるなぁとご覧いただければと思うんですね。ちなみにこの問題、教えにくいと思います。私自身、こういう問題どうやって教えようかなと思うと、こんなもの現物作るしかないですね。これを自分の頭の中で組み立てられるお子さん、っていうのを求めている学校もある。このくらいで理解しておいてもらえれば大丈夫だと思います。

さて、こちら正面のスライドの方に戻ろうかと思います。2つ目、難関校だったらこういう力が求められることもあるよっていうものの例として挙げられるのが、処理能力です。添付資料の2枚目の方ご覧いただければと思います。上の方、多少切れてしまっていて申し訳ないんですが、こちら慶應の普通部の解答用紙になってます。

ちなみに、開成って試験時間60分なんですね。中学受験においては、かなり長い方になっています。一方、こちらの例として挙げさせていただいたのが、野田慶應の普通部なのですが、大問が8個あって、当然考え方、記述欄があって、答えを求めなければいけないと。色んな力が問われていくところなんですが、制限時間、これ40分です。40分で大問8個あって、これだけの分量を書かされる。じっくり考えてる時間なんてない。自分が見えるところから順番に考えていく。こういう処理能力が求められる学校、というのがあげられてくるんですね。

やはり開成の場合、60分で大問はせいぜい3つか4つ。そこまで忙しい受験ではない、とは言える一方で、このようにスピードが問われてくるところもある。他に例として挙げられるならば、おそらく3日受けたいなぁと考えている人も多いと思います、筑駒。筑波大学付属駒場学校ですね。こちらも40分で同じような分量を出させる学校となってきますので、このように手際よく解いていく、そういう処理能力が求められる学校も多々ある。という風に、今のうちから知っておいてもらえるといいのかなぁと思うんですね。

そして、また前のスライドの方に戻りたいなぁと思います。3つ目、難関校でこういう力が問われてくるっていうところとして挙げたいのが、論証力です。こちらも資料の3枚目の方ご覧いただきたいなと思います。駒場東邦です。四角4番のカッコ2をご覧いただきたいなぁと思います。

いかがでしょうか。これって大人になっても難しい。ただ難易度としては、子供の時に解こうと思っても、今解こうと思っても、あまり変わらないかと思うんですね。じゃあこの問題で一体何を求めてくるのかっていうところなんですが、ご自身の中学生時代や高校生時代、思い出していただければと思うんですね。ここで問われている力って数学における証明と全く同じかと思います。

結局、結論は分かっている、敷き詰められないよ。じゃあどういう風にして説明していけば、採点者に通じるんだろう。このように証明の力を問うことによって、算数の思考力を聞いてくる、そういう学校もあるという例ですね。ちなみにこの説明せよという問題が出されるのは、あとは1月の併願として考えてらっしゃる方も多いかと思われます。渋幕、渋谷教育学園幕張ですね、こちらでも論証するっていう力が問われてくることがある、というお話になってきます。

このように難関校を一括りにしようと思っても、それぞれの学校が求めている生徒像というのは様々ある。じゃあその中で、開成ってどんな力が求められているのだろう。こちらを今から皆さんと考えていきたいなぁと思います。

スライドの方、次のページご覧をいただければと思います。今の開成では、ここが外せない。開成において、よく出てくる、また点を落としてはいけない分野、というものを並べてまいりました。

まず1つ目が様々な分野への比の応用、という形ですね。5年生のこの時期ですと、おそらく多くの塾で、比・割合を習い始めて色んなパターンを今、掴んでいらっしゃる時期かと思います。めちゃくちゃ大事です。

開成を受けるにあたっては、もう正直言って比の使い方、抽象的な発想が出来るのか、というところが非常に重要な部分を占めてくる。例えば、多くの塾で今扱っているのが平面図形における相似かと思うんですね。ここでいかにして相似を見つけるのか。見つからない場合、いかにして相似を作るのかといったように、図形と比という扱い方に慣れておいてほしい。また、これは中学受験においては定番の分野になってきますので、絶対に苦手にできない、というところですね。
また、比の例として出てくるのが、速さです。恐らく5年生の今のレベル、今の段階では速さのとても問題、というのは早々見てないかと思うんですね。旅人算だったり流水算、
通過算というような一般的な速さの問題が中心かと思います。

ただ、開成で問われてくる速さっていうのは、そういう典型的な問題が出来ますかっていう力ではない。速さの問題に対してみんながどんなアプローチをとってくるのか、そしてそのアプローチの仕方、どういう風に整理していくのか。例えば、ダイヤグラムなど塾によってはもう扱っているかと思います。これを自分で書いて自分で比を見つけて、言ってみれば速さを図形的に解いていくような、比を用いていくような、そういう発想力っていうところが問われてくる。やはり難関校特有の問題なのかなぁと思うんですね。

他に挙げられる比の問題とすれば、やはり比・割合のなに算っていうんだろう、分けられないような文章題というのがあげられるかと思います。例えば数年前なのですが、為替の問題に出てるんですね。毎年お肉屋さんではお肉を輸入していますと。どんどん輸入してます。輸送コストもかかっています。コストが増えたけど、結局ドルが下がったから結局このお店は儲かった、だったり損だった。など、社会的な分野にも興味を持っておいた方がいいのかな。

ただ、そこでどういう風に式で整理していくのか、比で用いていくのか、条件を整理していくのか、様々な力が問われてくる。比の応用というところは、今、力を入れておきたい分野として挙げておきたいなと思います。

ちょっとペースが速いですかね。よろしいですか。

さて、2つ目として挙げていきたいのが、立体図形と切断という分野ですね。恐らく現段階の分野ではあまり扱っていない。多くの大手塾で6年生の前半部分で扱う問題なんですが、頭の中で立方体をイメージしていただければと思います。

その立方体に包丁か何かで切り口、切り込みを入れてみる。その切り口がどんな形をしているんだろう、であったり、どんな形をしていて、どんな風に分けられて、っていうところがやはり開成では問われてくる問題になってくるかなと思うんですね。

ただ、安心していい材料としては、立体図形と切断、中学受験において恐らく1番受験生にとって捉えにくい分野だと思うんですね。

かつての開成、平成15年よりも前ぐらいですかね、その開成だったらかなり高度な空間の把握能力、頭の中くるんくるんするような、頭の中で図形を順番に切っていって切り口がどう変化するか、であったり、どういう風に捉えることが、どういう風にして立体を平面として捉えていくのか。

このようなかなり高度な空間把握も、出題されてはいたんですが、現在は一般的な立方体を2回切る程度の出題となっておりますので、今、パターンとしては少ないかと思います。ただ、今のうちにその解き方っていうものを、しっかり理解しておきたい分野にはなってきますね。

ただ開成の受験生は、絶対に得意にしなければならない分野としてあげられるのが、この2つ目、立体図形と切断という形でした。

さて、次です。3つ目。今の開成で最も差がついているのって完全にこれです。分類できないって書きましたが、何が分類できないかと申しますと、例えば問題によって、ああこれは速さの何とか算、これは鶴亀算、というようにほとんどの算数の問題って、何とか算の出題ですとまとめられるんですね。

ただ今の開成って、数の性質なのか、それが規則性なのか、それとも場合の数と呼ぶべきなのか、何とも言えないような問題っていうのが、かなり多く出されています。またそれが受験生の粘り強さ、特定の差に表れている分野でもあるんですね。

じゃあこの分野、どういう力が必要なのかっていうところなんですが、とにかくしっかり問題文を読める力。問題文が短くてそこの発想力が問われるというよりも、むしろ長い問題文を1行ずつ丁寧に読んでいって、読んでいった後、自分で条件を整理して、その条件を整理した後、条件に沿ってしっかり手を動かして書き出して考えていく。

粘り強さと、そこから何が見えるのか気付くという力ですね。条件を把握して、その先、分析する力が問われてくる。このような3つの分野っていうのが、今5年生の段階から意識して力をつけておいてほしいなと思える分野となってきます。

とにかく、他の学校だったら、例えば今5年生の段階で入試問題解かせてみても、力のある子って意外と解けちゃったりします。が、開成の問題に関しては、とにかく何とか算、ひとつの分野にまとまらない、横断的な問題が多くなってくるので、なかなか5年生のうちでは高得点はあげにくい、という風に言ってしまってよいのかなと思うんですね。

だからやっぱり、開成を目指すとなると、重いですよ。
さて、続けていこうと思います。次のスライドの方、ご覧いただければと思います。

こういうところ、だから開成っていうのは、受験の算数における最高峰なんだという説明の方、進めていきたいなと思います。

まず1つ目、最高水準の正確さが必要というところです。先ほど、国語の方でお話があったかと思います。この前の入試において、国語に関しては平均点の発表後、最も低い点数だった。

一方の算数です。これはもうお父様お母様ご存知だと思うんですが、平均点、過去最高だったんですね。合格者平均に関しては、もう85点満点で72点。85%以上の得点っていうのが求められてくる。じゃあ、そんだけ平均点高いんでしょ、簡単なんじゃないのって思うところあるかと思いますが、やはり開成です。難しいです。

受験者の水準っていうところがやはり高くなってくるので、そういう取りこぼしはしない。また知識も十分に持っている、そういう生徒さんでの戦いになってくるので、正確さという部分では非常に重要になってきている。

この数年の開成、やはり問題の難易度自体はかつてと比べて、発想力の部分が下がってきている。なので取り組みやすいかとは思うんです。ただその作業の正確性であったり、粘り強さであったり、そういうところに差がついてくる。

言ってみれば、昔、頭の柔らかい子、発想力のある子、っていうのが開成の欲しい生徒像だったと思うんです。ただ、今は正確な子、粘り強い子、書き出せる子。こういう子が欲しいんだろうなっていうメッセージかと思いますので、とにかく普段ミスが多いというような傾向がもしあるようでしたら、早めに早めに傾向、その克服していかなければならないなぁというのが1つあげたいところになってきます。

さて、開成を最高峰たらしめる、2つ目の理由として挙げられるのが2つ目、こちらですね。採点者に伝わる表現力という部分です。久しぶりの登場ですね。こちら、紙の方の資料の次のページ、ご覧いただければと思います。

こちら、開成の解答用紙のコピーになっております。見ていただきたいのは、番号、氏名のその下、注意。この太字の部分です。式や図や計算などは、他の場所や裏面に書かないで、すべて解答用紙のその問題の場所に書きなさい。

つまり開成が求めているものっていうのは、正しい答えではないわけですね。例えば、四谷大塚だったりSAPIXだったり、現在のテストってすべて、ほぼすべて、答えがあっていれば○、当てはめれば何でも、正答を求めることが最も重視されている。日能研でもせいぜい数問記述の問題があっている程度で、答えがあっていれば、やっぱりよしとするっていう風潮がかなり強いかと思います。

ただ、開成はそういう力を求めているのではない。どういう風に考えたのか、そしてどういう風に考え、どういう風にその問題に働きかけようとしているのか。こちらが問われてくるというところを今知っておいて欲しいなと思うんですね。

実際にこの解答用紙、四角2番の方をご覧いただいても、とにかく答えの欄なんて右下にちょろっとあるだけ。残りのスペースにどれだけ自分が考えたのか、これをアピールしていく必要がある。本当に開成の点数って、ここの記述欄で書けるか書けないかによって合否を分けるぐらい点数の差がついてきます。いかにして答案の質っていうところを高めていくのか、ここの部分もやはり開成を目指すならば鍛えていきたい内容になってきます。

さて、3つ目です。開成の最高峰であるその3つ目の理由として挙げられるのが、そもそも傾向が存在しないという部分です。今まで開成はこんな問題が出る、こんな力が必要だ、と様々申し上げてまいりましたが、本当にこの学校って2月1日問題が発表されるまで、予想なんてつかないっていうのが講師としての本音なんですね。

例えば、10年ちょっと前、平成13年あたりが個人的には一番難しいなとは思っているんですが、かつては本当に発想力勝負で、出来る子出来ない子というよりも、その場で浮かんだ子が受かる。浮かばなかった子は涙をのむというような試験だったことがありますし、また大問の数。60分っていうのは変わっていないものの、基本的に大問4つでした。

突然、大問3つに変わった年もありますし、また四角1番、毎年独立している大問としてあるんですが、小問集合だったこともありますし、とにかく「開成の算数っていうのはこんな算数なんだよ」って言えない。つまり傾向が存在しないということは、どういう問題があっても対応できるような、そんな総合力を鍛えていかなければならない。

結局最初に挙げたその思考力であったり、論証の力であったり、また処理能力、手際の良さであったり、そのすべてを磨いていかなければならない。こういうところをもって、やはり開成っていうのは受験の算数においては最高峰なんだなというところ、今この5年生の段階から覚悟していただければなと感じております。

とまあ、これ、開成目指すのやっぱ辞めようかしらと、って思われることあるかもしれないんですが、そんなことは必要ない。じゃあ開成を目指すならば、どんなことをしたらいいのか。ここから皆さんと一緒に考えていきたいなと思っています。

次のスライドの方、ご覧いただければと思います。開成に受かるための習慣という部分です。本日のタイトルなんですが、5年生だからこそ始めたい、今5年生だから始めたい、今日から実践というものになってます。じゃあ今日から習慣として変えて欲しいところ、持って欲しいところ、これを今からお話していきたいなと思います。

まず1つ目として、習慣として欲しいのが、こちら、正確な基礎知識です。今は5年生の段階で色んな教材、勉強しているかと思うんですが、分からない問題、詰まってしまう問題、そうそう無いかと思います。大丈夫ですよね。あったら困ります。

正直、今5年生段階でやっているそこそこの難問、応用問題っていうのは、はっきり言って6年生になったら、前期テキストのしかも基本レベルで出てくる。本当に受験における基礎知識でしかないのです。ということは5年生段階、今の段階から苦手な分野を作ってしまうと、それをいつ、どう克服する。また得意だと思っている分野、それは本当に受験レベルに通用するのか。っていうところの課題が出てくるかと思うんですね。

ですので、今絶対に意識してほしいのは、5年生レベルだったら、載っている教材載っている問題すべて完全に理解してしまおう。このように基本的な知識を、絶対に積み重ねていってほしい、というところ大事にしていきたいなと思うんです。

なので、1番気をつけたいところ、恐らく開成を目指される皆さんのお子様の場合って、点数とってくる、○付けてくるかと思うんですね。ただそれはその中で適当に考えて、勘でひらめいた、浮かんだ、だから○だ俺この問題出来た、ってなってしまうことがあるかと思うんですが、それではだめです。しっかり論理的に捉えていけるように、この基礎知識っていうもの、普段からしっかり身につけていく習慣として持ってほしいなと思っております。

2つ目の力に入っていきたいなと思います。我慢する力です。男の場合、どうしても問題に途中で飽きちゃったり、途中でジュースだお菓子だというところだったり、またはすぐに答えを見ちゃったり、色んなところで我慢しきれないな、もうこの子落ち着かないな、っていうところあるかな~とは思うんですね。

ただ、開成の問題、先ほど申し上げたように、60分で大問が3つか4つ。1問あたり20分だ15分だ、かなりの時間かけてもいい出題になっているんですね。また、今5年生の段階だと、時間がある、と感じられている方も多いと思うんですが、来年の今頃、もう12月差し迫ってますからね。受験なんてもうすぐです。

この時期で1問30分考えている時間なんてないです。ですので、我慢とはどういう話かと申し上げますと、今の段階の思考力問題、難しい問題において、ツラツラ書き出してみたり、また、図形の問題で色んな補助線を引いて、1問で30分40分粘ってみたり。この経験は絶対に惜しんではならない。

本人が1つの問題でじっくり考える。答えを見ようというのを我慢する。もう諦めて次の問題をやろうというのを我慢する。しっかり粘り強く取り組んでいく、そういう姿勢というものを皆様に今、意識して欲しいなと思うんですね。

また、我慢というのは、もう1つ意味があって、お父様お母様、恐らく隣で勉強を見ること、多いかと思います。いやおまえそこで計算間違ってるで、と言いたくなること、あるかと思います。そこ保護線引いたらもう出来るやないの、言いたいこと、あるかと思うんですね。

そこをぐっと堪える。本人の思考能力の養成のために、お父様お母様が口出しするのを我慢する。こちらも我慢する力として持っておいていただければなぁと思う力ですね。ただ、やはり1時間2時間考えて、しかも手が動いていない、こういう時はもう答えを見てもらうのが1つかなぁと思います。

さて、続けましょう。3つ目として、挙げられるのが、コツコツ積み重ねるという部分です。当たり前の話なんですが、学力って、おっしゃ俺、今日1日10時間勉強したぞ、って明日はこれでオフにする。とかそういうことをしたって力はつかない。

勉強っていうのは、一朝一夕には絶対に力はついてこない。毎日決まった量、最低でも計算と漢字、基本的な勉強を朝にやって、塾の勉強というのは何曜日にどういう風にやっていって、スケジュールだけでやっていく。最低でも1日これだけやっていく、それプラスどれだけできるのかというところを意識していきたいなと。

とにかく勉強の1日の量があったり、内容だったりにムラがあるというお子さんお持ちの場合は、今のうちから最低でもこういう風にやっていこうねという習慣の方をつけていきたいなと思います。
さて、では次のスライドの方もご覧いただければと思います。じゃあ、今度はお父様お母様がどういう風に働きかけていくのか。また、塾の先生だったりどういう風にしたら、その本人の力っていうのを伸ばしていけるのか、というところのご説明の方にまいりたいと思います。

1つ目がこちら。受かる指導の部分ですね。正直、難関校、難しい学校の場合は、解き方なんてどれでもいいんです。実際に現段階でも。うちの子は解いてる、答えは合っている、でも解法と違うなぁ、答えと違うなぁという場合が多々あるかと思います。

それは非常に良いこと。構わないですね。とにかく。1つの問題を多角的に捉えていく。この解法でもいい、この解法でもいい、色んな引き出しを増やしていくことっていうのが、今この時点から意識していただきたいことになってきます。

まあただそう、その本人の解法が正しいのか、正しくないのか分からない。そういうときに塾の先生であったり、個別指導の先生、家庭教師の先生など、本人の解き方を大事にしつつ、その解き方を更に磨いていけるような、こういう姿勢というものを持っておくと、ますます算数の学力の幅っていう部分が広がってくるのかなと思うんですね。

とにかく型にはめさせようとしない、本人の解き方、色んな解き方というもの、柔軟に考えていくような姿勢を身に着けてほしいなというのが1つ目です。

2つ目です。失敗しないテストの受け方。受験において強い子っていうのを考えてみたいと思うんですね。たまに物凄くいい点をとる、でもたまにドーンと失敗する、こういう生徒さんと、常に安定してある程度のライン以上を保ってくる生徒さん、受験において、特に併願プランなどを考えていくと、圧倒的に有利なのは後者。

ミスをしない子、結局条件が高い子ではなく、下限の高い子、安定してくる子っていうのが受験においては強いです。じゃあそのためにどういうことが出来るのか、っていう方を考えていくと、例えば売れているテストは殆ど長くても50分ぐらいかと思うんですね。

その50分間をどう使っていくのか。時間の使い方っていうところもそう、後は見直しの仕方ですね。見直しするする~って言って見てるだけ、ペンを置いてボーっとしているという様子も多いかと思います。

ではなくって見直しっていうのは、こういう風にしていくんだよっていう伝え方、これも1つですね。また、見直すときの注意点っていうのも、多々、本当に生徒さんによって異なってくるかと思うんです。

例えば、字があまりにも汚い子ですね。字が汚すぎて読み違えてしまう、桁が気が付いたらずれてくる、どこにどの式を書いているのか分からない、っていう生徒さんの場合があったり、また、単純に丁寧に書きすぎようとして、逆に遅くなってしまう。ここのクセから、じゃあおまえはテストの時ここを気を付けていく、で、それを毎回チェックして磨いていくっていうのを意識していく。

このテストの受け方というところも5年生のうちから始めておくと、6年生になったとき、より点数として安定してくる。開成を目指すとなれば、やはり常に成績っていうのはキープしておきたい。そのためにもう失敗しない受け方、というところを学んでおいてほしいかなと思うんですね。

そして3つ目が伝わる答案作成力です。先ほどから申し上げているように、開成、途中式・考え方っていうところを重視してくる学校ではあります。ただ、その途中式・考え方を重視する、じゃあその練習はいつしていくのか、というところなんですね。

大手塾ですと、早くて夏休みから過去問に取り組み始める。が、その時期から急に答案づくりっていうものを学びだしても、なかなか遅いのかなぁとは、個人的には経験として思うんですね。秋からやっぱりつけていきたい力、理社に力の配分を変えていったり、または算数においてももしかしたら苦手分野が出てくるかもしれない。

そちらに注力していきたいというのがあります。だとすれば5年生の終わり、6年生の始めから、ある程度の答案作成力っていうものを、つけていってほしいかなと思うんですね。先ほどの資料の最後のページですね、ご覧いただければと思います。

こちら、去年開成に受かった生徒の答案なんですけれども、この子ひどかったんですよ。こちらは確か秋、10月ぐらいの答案だったかと思うんですが、5年生の今頃、途中式なんて存在しなかったです。本当に答え。答えは確かにあってるよ、ただ本当に普段の答案用紙を見ても、式がまずない、筆算しかない、しかもその筆算が読めない。そういう生徒だったんですね。

もちろんこの段階でも、答案としてはまだまだ未完成です。が、これだったら、ああこの子はこういう風に考えていったんだなというのが見えるかと思うんですね。皆様に意識していただきたいのはここ、問題文を読まなくても、本人の答案を見るだけで、あっこれってなに算のこういう問題なんだろうな、というのが見えるような、そういう答案づくりっていうものを早い段階から考えていくと、6年生後半、こちらの勉強のやり方っていう部分が見えてくるかと思うんです。

また、伝わるっていうことを考えると、あくまでもこの答案用紙って誰に見せるのか、お父ちゃんお母ちゃんに見せるためではない。自分の見直し、それもあるけれども、それがメインではない。採点してくれるその学校の先生に見せるものですよね。

当たり前の話なんですが、字がきれいな子と汚い子、どっちの方が印象いいでしょう。読めない字なんて読みたくないですよね。つまり、今、字が読めないほど汚い、男の子の場合、多々あるかと思います。最低限読みやすい字を書いてくれっていうのも、伝わる答案作成力の一環として、今日から意識していきたいな、というところですね。

本当に6と0が読めない、であったり、これは5と読むのか、それともなんだ、左手で書いたのか、読めないような字っていうのは今のうちから直しておきたい。そして、後は普段からどう考えたのっていうのを本人の言葉で説明させるような、そういう習慣をつけていっていただければ、かなり開成、確かに難関校です。が、勉強の道筋、としては見えてくるのかぁと思うんですね。

とにかく、開成は難関校だけれども、やっていくことは色々ある。お父様お母様にやっていただきたいこともありますし、また、我々講師としても、本人の目標達成に向けて手伝っていきたいなぁっていうことも多々あります。

そこでやはり大事なのが、最後は本人のモチベーション次第。お父様、お母様にもしっかり本人をモチベートしていただいて、良い受験を迎えられるようにしていただければなと思っております。

さて、以上で私の話としては、おしまいになってくるんですが、ご質問等はいかがでしょうか。

(質問)あのすいません、解答のこのプロセスっていうか、この枠の中をきれいに書いてくださいっていうことなんですが、答えがあっていたとしても、満点は取れないっていうことですか。
(回答)そうですね。

このプロセスの計算間違いで、たまたま合っていても、減点されると。
減点される学校がほとんどです。ただ、学校によって異なりまして、一般的に開成は前から答案を読んでいく、で、最後に答えがあっていて○をする。ここまで合っているから、っていう風な採点方法をとっております。一方の筑駒に関しては、まず答えが合っているかを見ていくそうですし、それは個々の学校によって異なってまいります。

(質問)そうすると開成の場合は、途中まで全体の7割が取れていて、プロセス、途中式が書いてあって、論理的な思考をしていきました。でも最後の解答は間違ってました。その7割に対しての部分点は与えますか?
そのかたちです。

(回答)答えがあっていても。
答えが異なっていたとしても、前半部分、この考えていた部分を評価してくる学校ですので、部分点としては…

(質問)逆に答えが出てるけど、途中が悪いと、マイナスすると。
(回答)その通りです。減点です。同じように駒東などもそのような傾向が見られます。
(質問)ありがとうございます。

その他、ご質問等はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。後程、個別の相談会の方も設けてまいりますので、お話の方、出来ればなと思っております。それでは本日はご清聴ありがとうございました。


その他の『『開成中に合格させるノウハウ一挙大公開!』セミナー』の項目一覧