指導法【算数】

「算数は決して難しい科目じゃない。」

算数、という言葉を聞くと背筋がゾッとしたり、「うわぁ…。」って気持ちになる人はいませんか??ここまででもうそんな気持ちになっている人が、私が考えている以上に一杯いるような気がします(笑)
何故、そのような気持ちになってしまうのでしょうか。答えは簡単、「出来ない、点が取れない」からです。「出来ない、点が取れない」にもいくつかの要因があります。私の視点では以下の3つがその原因だと考えています。

1.計算ミスが多い

一番多い原因ですね。計算ミスといっても、たくさんの種類があります。筆算において繰り上がり、繰り下がりを間違えた。自分の書いた数字が読めなかったので間違えた。足すべきところを引いてしまって間違えた...etc
まだまだあるでしょう。たくさんある以上は、全てのミスを0にすることは人間である以上はまず不可能です(暗算が得意な私ですが、たまにミスをします^^;大人でもミスをするのですから、子供のミスの数は数えきれないでしょう)。であれば何が大事か?個人的に考えたその答えを以下に述べます。

(1)どんなミスをしたのか、自分で見返して自分なりに整理する。
これは私が今までに様々な方にお伝えしている方法ですが、ミスをした時にはどんなミスをしたのかを書く。ノートにしてまとめるのも有効です。そうすることによって、ミスをした箇所を「自分の目で」探し、ミスの種類を「自分の手を」動かして書くことで“認識”することが可能となるからです。「自分は今日はこんなミスをしたんだな。じゃあ次は間違えないように気を付けよう。」という自覚が繰り返されることによって、ミスは次第に減っていくものなのです。

(2)ミスを0にするのは不可能…であればミスを限りなく0に近づけるようにする。
割り切る、ということですね。先述の話のように、ミスの数を少なくしていくことを考えましょう。「ただ、それでもミスを減らす方法が分からない…。」そう言ったときに私の出番です。これまでの集団塾での指導経験を活かし、お子様がミスをしやすい場面を熟知している私にお任せください。お子様の傾向について分析し、どういったミスが多いのか、またどうすれば減っていくのか、を具体的にアドバイスさせていただきます。

2.教わった内容が分からない

集団授業における最大の問題点は、授業の進度が早かった時に、その場で理解できなかった生徒がどんどん置いてけぼりを食らうことです。ゲームで想像してみてください。画面がスクロールされるステージで、がんばってがんばって画面に追い抜かされないように進んでも、スクロールされる画面に自分が消されてしまうイメージです。人が話を真面目に聞ける時間の限界は3分しかないそうです。であれば、理解度にもばらつきのある子供がたくさんいる教室の中で、その子供たちに10の話をしたとして、全員が一人残らず10の理解をして帰るのは不可能です。それは子供ひとりひとりに特徴があり、それが千差万別であるからです。我々は個別指導としてお子様の性格や特徴について分析し、ひとりひとりの事を考えた指導を行ってまいります。また、お子様ひとりひとりの特徴にマッチさせた志望校合格までのプランニングを行い、3分間という時間を感じさせることのない最高の指導を通じてお子様を志望校合格へと導いて御覧に入れます。

3.モチベーションが上がらない

勉強=作業、になってしまっているからです。上りも下りもない、平坦な道を進んでしまっているイメージです。ただ与えられた課題を漫然とこなしているからです。子供は褒められたら伸びます。叱られたら凹みます。私の指導法は、子供の“気づき”を大事にする、です。お子様が気づいたどんな小さなことでも、見逃さない。瞬時に褒める。それによって、褒めるという行為を受けたお子様は「自分が認められたんだ。」という承認欲求を満たすことになります。子供だけでなく大人もですが、人は良かった=褒められた瞬間を記憶として残しやすいものです。
些細なことのように見えるかもしれませんが、あの時あんなことを言ったら褒められたな、という瞬間が糧となり、実際の入学試験でも大きな武器となってくるのです。私はそんなお子様方の「気づき」を大事にして、精一杯「褒める」指導をしていく所存です。

指導実例【算数】

それではここで、平面図形の簡単な問題に取り組んでみましょう。

問題

下図は、円の中に1辺の長さが12cmの正方形を描いたものです。円の面積を求めなさい。
ただし、円周率は3.14とします。
円の中に1辺の長さが12cmの正方形を描いたもの

解説

この問題は、小学4年生で円を習ったことのある人ならまず解ける問題です。
しかし、初見だと?マークが頭に浮かぶと思います。なぜか・・・
円の半径の長さがわからない!!!
でもご心配なく。とりあえず、円の面積を求める公式を書いてみましょう。
円の面積=半径×半径×3.14(円周率)
ここで勘のいい人は気づけます。
半径そのものが分からなくても、半径×半径が分かれば求められるのでは??
気づけましたか?気づけた人は素晴らしい!!気づかなかった人も、今ここで分かればそれで十分!
では実際に、図に半径を書き込んでみましょう。
図に半径を書き込む
上の図を見て気づけますか??半径×半径ということは・・・
半径×半径なので青い正方形の面積を求める
青い正方形の面積が分かれば良さそうですね。
ここでやっと、12cmという値を使います。

対角線を12cmとして考える
正方形はひし形とも言えるので、対角線を12cmとして考えると面積は
12cm×12cm÷2=72㎠
半径×半径=72(←実際に2回かけて72になる数は求められませんね…)

よって円の面積は、
72×3.14=226.08㎠

どうでしたか?一見は解けなさそうな問題でも、人が作った問題である以上はどこかに
ウマい方法があるものです。
では、これを生かして実際の入試問題に挑戦してみましょう。

駒場東邦中学校H25年度大問2

1辺の長さが12cmの正方形ABCDがあり、図1のようにBを中心とする半径BDの円と直線BCの延長線との交点をEとします。BEを二等分する点をMとするとき、Bを中心とする半径BMの円をかき、BA,BDとの交点をそれぞれF,Gとします。このとき、次の各問に答えなさい。ただし、円周率は3.14とします。
(1)図1の斜線部の面積を求めなさい。
(2)Gを通りABに垂直な直線とABとの交点をHとするとき、GHの長さを求めなさい。
(3)ABを直径とする円をかくとき、図2の斜線部の面積を求めなさい。
駒場東邦中学校問題1              

解説

この問題は、小学4年生で円を習ったことのある人ならまず解ける問題です。
しかし、初見だと?マークが頭に浮かぶと思います。なぜか・・・
円の半径の長さがわからない!!!
でもご心配なく。とりあえず、円の面積を求める公式を書いてみましょう。
円の面積=半径×半径×3.14(円周率)
ここで勘のいい人は気づけます。
半径そのものが分からなくても、半径×半径が分かれば求められるのでは??
気づけましたか?気づけた人は素晴らしい!!気づかなかった人も、今ここで分かればそれで十分!
では実際に、図に半径を書き込んでみましょう。
図に半径を書き込む
上の図を見て気づけますか??半径×半径ということは・・・
半径×半径なので青い正方形の面積を求める
青い正方形の面積が分かれば良さそうですね。
ここでやっと、12cmという値を使います。

今回も、半径×半径の正方形が見えましたね。
あとは、上図の青色の図形をひし形と見て面積を求めます。
12cm×12cm÷2=72㎠ ← これが半径×半径
よって、

72× 45 ×3.14=28.26㎠
360

となります。

(2)まずは問題文に沿って、Gを通りABに垂直な直線を引き、ABとの交点をHとしてみましょう。
ABとの交点をHとする
これは簡単ですね。12cmの半分で6cmと分かります。
(1)が出来なくても解けます。入試問題には、このように最初の問題より後の問題のほうが簡単なケースもあるので、後半の問題だから難しいだろう、という先入観を捨てて問題文全体を一読することも大事です。

(3)斜線部の図形は、扇形ではないので面積をすぐに求めることは出来なさそうです。そうなると、 先ほどのポイント②で挙げたように、補助線を引いたりして分かる図形(扇形や三角形が作れないかなー)に分解していきましょう。
補助線を引いたりして分かる図形に分解

扇形と三角形が図に出来上がりましたね。ここまで来ればもう一歩。
斜線部を求めるために、この2つの図形の合計から引くべきものは、、、
2つの図形の合計から引く

(1)で半径×半径を使って求めた、あの扇形ですね!このように、ほとんどの入試問題では最初の問題で求めた答えを使って、後半の問題の答えを出していくパターンがかなり多いです。
したがって、この問題の求め方は以下のようになります。
この問題の求め方は以下のようになる
よって、

6×6× 90 ×3.14+6×6× 1 -28.26
360 2

=28.26+18-28.26
=18㎠ となります。

いかがでしたか?入試問題は一見すると複雑そうに見えますが、実際に使っている知識は多くないのです。
その知識をどういう問題に出会ったときに使えばいいのか、我々はお子様に“気づかせ、最大限に褒める”指導を通じて精一杯の提供をしていく、そのお手伝いが出来ればと考えております。
どうぞ宜しくお願いいたします。