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吉祥女子 今年の算数−初めて記述が出題

【昨年との平均点の違い】
まずこの表をご覧ください。

平成28年度 平成27年度
2月1日 81.1点 74.6点 +6.5
2月2日 75.0点 64.0点 +11
2月3日 74.5点 67.2点 +7.3

これは、昨年と今年の算数の平均点をまとめたものです。(参考:吉祥女子HPより) ご覧の通り、全ての回において平均点が軒並み上がっております。
なぜこのようなことが起こったのでしょうか。

【記述を導入】
今年の問題の大きな違いは、解答欄に記述が設けられたことです。
昨年までは、解答欄には答えのみ、つまり考え方や式を記入するところは全くなかったのです。
しかし、2015年6月の学校説明会で、入試科担当の先生から「2016年度入試より算数に記述を導入します」と発表がありました。

校長先生に直接お話を聞く機会がありまして、「なぜ記述を導入すると決定されたのか」質問しました。
校長先生は、「今まで、間違えた問題はただ×だけになってしまっていた。しかし、ちゃんと途中までは考えていたかもしれない。そういう生徒をもっとちゃんと見てあげたい、そしてその分点数にも反映させてあげたいという思いがある」と仰っていました。

【平均点が上がった理由】
平成28年度第1回の記述問題は、3(3)と5(4)のみ。
問題の内容もさほど難しくなく、受験勉強している生徒さんであれば、必ずどこかで解いた事があるであろう問題でした。今年度、記述であろうとそうでなかろうと、全般的に、解きやすい問題が多かったように感じます。
そのため、平均点が、各回とも上がったのではないでしょうか。

記述が導入され、部分点がとり易くなったのかと問題を解く前は思っていたのですが、実は、そうではなさそうです。

【記述の配点】
前半の各3点や4点の部分と比べ、記述の問題は配点が6点、7点となっています。
昨年までは、大問の後半は5点、6点のところが答えのみになっていたので、確かに、間違えたらただの×になってしまい、大きな失点になっていました。
また、昨年までの特徴として、4や5などの後半問題は、(1)、(2)をヒントとして解けていないと、(3)(4)で得点できないという傾向があったのですが、今年度は、小問どうしが、もちろん連携しているのですが、前半で失点しても、後半の問題はそれとして解答できてしまうという特徴が見られます。

このように、点数が昨年ほど低くなく、記述でも部分点をもらえるという事も重なって平均点が高くなったのではないかと考えております。

しかも、それは、第1回だけでなく、第2回、第3回にも共通して言える傾向です。

【今後の対策】
来年度の問題はどのようになるのか、また6月頃に学校説明会が行なわれますので校長先生とお話できれば、お聞きしたいと思います。

記述はおそらく残っていくと思いますので、日頃から式と考え方を必ずノートに書くようにしましょう。
算数は、プロセスをおさえることが大事です。
それは、単元学習だけでは得る事はできません。学校ごとの対策が必要です。

講師一同、今年の入試分析をしながら、また来年に向けてより一層指導スキルを高めていきます。どうぞよろしくお願い致します。


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