第1章 濃度の「偏差値20アップ・指導法」例題①

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第1章 濃度の「偏差値20アップ・指導法」例題①

1.2 例題(例題で根本原理を確認)

1.1の導入で学習した根本原則(①面積図、②逆比、③体系)が実際の問題でどのように問われているのかを、
1.1の【ケース1】~【ケース2】の典型例題で確認することが偏差値20アップノウハウでは重要です。

例題1

【ケース1の例題】《 面積図の式で解けるケース 》
濃さが12%の食塩水が150gあります。この食塩水に食塩を加えて、濃さが20%の食塩水にするには、何gの食塩を加えるとよいですか。
【ポイント】


水が一定であることを利用①〜⑦の順に解けばよい。
① 0.12×150=18g … はじめの食塩
②③ 150-18=132g … はじめの水のまま
④ 1-0.2=0.8 … 最終的な水の割合
⑤ 132÷0.8=165g … 最終的な全体量
⑥⑦ 165-150=15g … 加えた食塩

従来の塾の解説方法によると、「水が一定」を暗記させていたが、左のように水の面積図を乗せると、水が一定だということが目で見て分かる。このイメージづけが「20アップ指導法」です。

例題2

【ケース2の例題】《 面積図の流れ図で解けるケース 》
容器Aには20%の食塩水100gが、容器Bには2%の食塩水100gが入っています。今、容器AからBへ20g移し、次にBからAへ20g移すとAの食塩水は何%になりますか。
① 100×0.2=20g … はじめのAの食塩 ⑦ 6÷120=0.05 … 新しいBの濃度
② 100×0.02=2g … はじめのBの食塩 ⑧ 20×0.05=1g … BからAへの食塩
③ 20×0.2=4g … AからBへの食塩 ⑨ 16+1=17g … 新しいAの食塩
④ 20-4=16g … Aに残った食塩 ⑨ 16+1=17g … 新しいAの食塩
⑤ 4+2=6g … 新しいBの中の食塩 ⑩ 80+20=100g … 新しいAの食塩
⑥ 100+20=120g … 新しいBの食塩水 ⑪ 17÷100=0.17 … 新しいAの濃度
ケース1のように面積図の式では描けないことを意識させる。
また、勉強勉強せず、パズルのようにゲーム性を持たせて、楽しませることが重要。中学受験の算数を数学のように学問とはとらえず、「工夫する遊び」あるいは「文系科目」と捉え、塾で教わった解き方でも良いし、この解き方でもよく、工夫することの楽しさを指導すべきです。この考え方が小学生に受け入れられやすく、ひいては「20アップ指導法」となる。

例題3

【ケース3の例題】《 平均算の面積図で解けるケース 》
7%の食塩水Agと、12%の食塩水Bgを混ぜると、9%の食塩水が300gできます。 7%と12%の食塩水は、それぞれ何gずつ混ぜましたか。

① 右の図で、長方形Bの塩が長方形Aに移るから、
ABの塩の量は等しい(面積が等しい)。
面積が等しい場合→横の比たての比逆比となるから
④ 長方形ABにおいて、
(たての比)=(9%-7%):(12%-9%)=2:3より、
(横の比)=③:②と逆比になる。
このため、300g=⑤と分かる。
⑤ 300÷⑤=60gより、60g=1となるから、
⑥ A=60×③=180g  B=60×②=120g

【別解】(てんびん図を利用)

(てんびんの腕の長さの比)=(9-7):(12-9)=2:3より
(AとBの重さの比は)=③:②の逆比になる。
したがって、300÷60g … ①(あとは上の解答と同じ)

①「A%とB%を混ぜるとC%になる」という問題で、食塩水の量が一箇所(300g)しか分かっていない問題の場合、【ケース1、2】では解けません。そこで、右図のように、平均算のように、面積図を横にくっつけた図を書いて、「平均算」を利用して解きます。
②「てんびん図」の解法は、最近若い先生の間ではやっているが、割合を表現できないので、応用に弱い。しかし、パターンにはまれば短時間で解けるので、テスト用に覚えておくと良いでょう。

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